ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

日本

罔両(参考『本草綱目啓蒙』)

音読みならばモウリョウ。『…啓蒙』ではクハシヤ(カシャ?)と訓じている。葬送の時に現れる。現れる時は疾風と急な雷をともない、人々が大騒ぎをしている間に棺の中の屍を持ち去る。棺そのものには異変がないので開けてみるまで誰も気づかない。持ち去られ…

しよひげたばこを

これはジャンケンをするときの歌。 ジャンケンぽっくり下駄 しよひげ煙草を一本吸いました (ここでジャンケンをする。もしあいこだったら…) 二本吸いました (勝負がつけば終わり、またあいこだったら…) 三本吸いました (勝負が付くまで続ける) しよひ…

げっくりかっくり

リンク元の一覧を見ていたら、msn の「童歌+言い伝え」の検索結果からリンクされているようだった。童歌のことなんか書いた覚えはないので首をひねるばかり。ついでなので昔覚えた童歌でもメモしておこう。これは長縄飛びをする時に歌うものである。 げっく…

カアイマン来日(参考『本草綱目啓蒙』)

ダ竜(ワニ)は日本にはいない。紅毛(オランダ)より小さなものが薬液に浸された状態で渡来し、見せ物にされていたことがある。紅毛でカアイマンと呼ばれているものであると『本草綱目啓蒙』にある。 カアイマンとは、今でいうカイマン類のことであろう。中…

『本草綱目啓蒙』

中国の百科事典『本草綱目』を読み解くための参考書のようなもの。江戸時代の学者 小野蘭山の著。本草綱目に収録されているものが日本ではなんと呼ばれているか、どのように扱われているかなどが解説されている。平凡社の東洋文庫にあるが、原文のみで口語訳…

兔唇(兎唇)・兔欠(参考『和漢三才図会』)

上唇が裂けて生まれてくることで、兔(ウサギ)の唇に似ていることから名付けられた。『本草綱目』には妊婦が兔の肉を食べるとその子は唇が欠けるとあるが、『和漢三才図会』の著者は食毒ではないとし「これを治すには縫合して膏薬をつけるのがよい」と言っ…

両面宿儺(参考『和漢三才図会』)

仁徳天皇の御代に飛騨の国に宿儺(すくね)というものがあった。ひとつの体にふたつの顔があり、背中合わせになっており、頭のてっぺんは合わさっていて、うなじがない。四つの手と膝を持つが踵はない(踵もくっついているのだろうか)。力が強く敏捷で、右…

羽白熊鷲(参考『和漢三才図会』)

神功皇后がまだ即位する前の頃、荷持田村に羽白熊鷲というものがあった。強健で翼がありよく飛び高く翔けた。朝廷に従わず人民から略奪していた。神功皇后に成敗されたと言われている。

土蜘蛛(参考『和漢三才図会』)

神武天皇の御代に土蜘蛛というものがあった。身長は低く、手足が長く、『和漢三才図会』の著者は侏儒(小人症)と同類としている。皇軍は葛を編んで作った網で土蜘蛛を覆って殺した。葛城という地名はこのことにちなんでいる。

口裂け女

ついでなので口裂け女にも触れてみよう。口裂け女というのは非常に美しい女性であるが、口が耳まで裂けているのでマスクで隠している。人に出会うとマスクをはずし「わたしきれい?」と言う。この女のうわさが日本全国を疾風のように駆けめぐり、子供たちを…

青がいい、黄色がいい、赤がいい?

これは私が幼い頃に聞いた話だが、ある小学校で授業中にもよおした子供が席をたって便所に行った。ところが紙がなかったので、どうしようか迷っていると、誰か別の子供が入ってくる気配がした。「すみません、紙をくれませんか」その子が声をかけると、扉の…

ロクサン

南会津(福島)にはロクサンまたは通り神と呼ばれる便所の神がいる。この神は盲目で人が便所に唾を吐くとたたって目を病ませる。麻がらなどの捨て木を便槽に捨てると盲目の神様が拾い上げるのにくろうするからいけないなど、言い伝えが多数あるというが詳細…

烏瑟沙摩明王または烏枢沙摩明王

うすまさみょうおう。ウッチュシュマの音写。不浄金剛(ふじょうこんごう)、穢跡金剛(えしゃくこんごう)とも。弘法大師が唐から招来したと言われている神。悪いものを打ち負かし善に導く。眼病と下半身の病に霊験がある。便所の神さまとして知られている。…

御伽這子

おとぎほうこ。単に這子(ほうこ)、御伽(おとぎ)とも。天児と似た使い方をする人形で、頭も胴も練絹に綿を詰めて作る。形は家によって多少違うかもしれない。徳川美術館所蔵のものは着物を着ているので中がどうなっているかよくわからないが、這子という…

天児

天児と書いて「あまがつ」と読む。竹の棒を2本組み合わせてT字を作り、練絹で綿を包んだだけの丸い頭をつけた素朴な人形。これに着物を着せて赤ん坊の枕元におき、赤ん坊にふりかかる悪いものを身代わりに負わせた。古くは平安時代から江戸時代まで高貴な人…

海和尚(参考『和漢三才図会』)

海和尚は人面の亀である。江戸時代の日本で作られた『和漢三才図会』にあり、水木しげる氏が絵にしているのとほぼ同じものの絵が添えられている。 『和漢…』によれば、海和尚は別名を海坊主と言い、体はすっぽん、人面で頭髪はなく、大きなもので五、六尺(1…

『和漢三才図会』

江戸時代中期に作られた百科事典。中国の『本草綱目』を模して作られたらしい。口語訳は東洋文庫に収録されている。

ホタル・螢・ほたる・星垂る・火垂る(参考『蝶の幻想』)

日本には蛍を捕まえて売る商売があった。旅館や料亭などにおろし、宴会のときに放って客人を喜ばせる。蛍の成虫は弱く寿命も短いため、捕まえて籠にいれておくとすぐに死んでしまう。ある蛍問屋では毎年五升もの蛍を始末している。死んだ蛍は薬になる。蛍の…

雄略天皇と虻と蜻蛉(参考『古事記』『日本書紀』)

雄略天皇が吉野のあきづのにいでまして狩を楽しまれた折りに、虻(アブ)が飛んできて御腕を噛んだ。そこへ蜻蛉(トンボ)が飛んできて虻をつかまえて飛び去った。天皇は家来に命じて歌を作らせ蜻蛉をたたえた。その歌の大意は「狩の獲物を待っていると、虻…

トンボを呼ぶ童歌(参考『蝶の幻想』)

東京の子供たちは「とんぼとんぼ お泊まり 明日の市に 塩辛買うて ねぶらっしょう」と言いながら蜻蛉を追ったという。おそらくシオカラトンボだったのだろう。

トンボの伝説(参考『蝶の幻想』)

蜻蛉の背中に仏像の形に似た文様があることから、蜻蛉は観音様を背負っているとも言われる。どの部分のことを言っているのか、著者の八雲ははっきり書いていない。また、蜻蛉を捕る子は「知恵を得ぬ」という言い伝えがあったらしい。これは蜻蛉が仏様の乗り…

ウスバキトンボの伝説(参考『蝶の幻想』)

ウスバキトンボの別名を精霊蜻蛉と呼ぶ。これは旧暦の盂蘭盆会の頃に現れるため、死者が乗るための翼のある馬の役目をすると考えられている。キリスト教の万聖節(ハロウィーン)と同じ意味の祭日のこの祭日の間、子供たちは家の中に飛び込んでくる蜻蛉(そ…

ツクツクホウシ(参考『蝶の幻想』)

ツクツクホウシの鳴き声は「つくつくほうし」あるいは「つくつくぼうし」「ちょこちょこういす」と表現されるが、ある言い伝えでは筑紫生まれの男が故郷を遠く離れて病死して蝉になり、「筑紫恋し」と鳴くようになったとも。

蝉の古名(参考『蝶の幻想』)

ハルゼミ:馬蝉 熊蝉 クマゼミ:しんねしんね(鳴き声を模したものか?) ニイニイゼミ:麦刈蝉(麦刈りの季節に表れるから) 五色蝉

野槌・のづち・ノヅチ(参考『和漢三才図会』)

ツチノコのことを調べていると『和漢三才図会』に記述があるとする情報に行き当たるが、どうもこの説には疑問を感じる。たしか野槌と称する蛇についての記述はある。しかし、その蛇の姿は長さ三尺(つまり90cm!)あるというのである。この時点でツチノコとな…

フールヤヌカン(参考『島からのことづて』)

沖縄の便所の女神。漢字を当てるとフール屋ぬ神だろうか。家の各所の守り神を決める時に、美しい女の神が自ら便所を守ると言った。魂(まぶい)を落として元気のない人が、落とした場所で魂を拾えなかった時に、便所にて女神に祈ると魂を拾ってきてくれると…