異人
1953年のクリスマスの日。マレー半島のベラク州南部トロラクのゴム園でおこった事件である。16歳の中国人少女がゴムの木に穴をあけていると誰が肩にふれるので振り返った。そこのは長い黒髪を垂らした肌の白い猿のような女が立っていた。腕と腰に毛が生え、…
探検家アンリ・メートルが二十世紀の初めにカンボジア奥地やベトナムを旅した際に耳にしたといわれるうわさ話。 身長150cm以下で、赤毛の厚い皮に覆われ、手足を曲げることが全くできない。前腕の裏側にはナイフの刃のように鋭い膜がある。これでヤブを切り…
インドの山奥には犬の頭をした人々がおり、その衣服は野獣の皮である。彼らは言語を持たず、犬のように吠えることで相手と話し合う。歯は犬より長く、爪は似ているがもっと長くて曲がっている。色は黒く、インド人同様誠実であり、両者は交易している。彼ら…
1910年に発見されたニューギニアのタピロス族は平均身長145cmでアジア最小と言われている。 1968年、西丸震哉氏はニューギニアで身長130cmのネグリートと出会う。どこの部族の者かわからないので、たまたま異様に小さな奇形だったのかもしれないと著書に記録…
紀元前3〜4世紀のギリシア人クテシアス(ペルシアの大王アルタクセルクセスの侍従医)の記録「中央インドにはピグミーと呼ばれる黒人がいる。彼らはインド人と言語は同じくするが、きわめて小さい。一番大きな者でも90cm、大部分は約65cmである。頭髪はとて…
オオクニヌシは別府から四国へ温泉をひき、死んでしまったスクナヒコナの神を温泉にひたして蘇らせた。 オオクニヌシは土地土地の女を訪ねる旅にホトヅラカズラという殺虫作用のある草を持ち歩いた。 # ホトヅラカズラは調べてみたが何のことだかわからなか…
ふと思いついたことだが、スクナヒコナという神さまの伝説は養蚕に関係があるのではないだろうか。 茨城県に「金色姫」という昔話がある。北天竺のお姫様が継母にいじめられ桑の大木をくりぬいて作った筒の形をした船に乗って日本に漂流してくるという話だ。…
さんそう。操はけものへん。山男、山おぢ、山ぢい、山ぢぢ、などと呼ばれるものと同じであろうと蘭山は言っている。深い山に住み、昼は隠れ、夜現れる。木こりなどが数日間やまごもる時に現れる。人が燃やす火に寄ってきて蟹をあぶって食べる。これを殺そう…
ヒヒ。費費とも。蘭山はヤマワロと訓じている。また、山笑、カンキョ人、梟陽人もこれと同じものとしている。深い山に住み、日本でも木曾(長野)、豊前(大分)、薩州、飛州、能州に住む。人に似て毛深く猿に似ている。毛は刺のようで赤い。死ぬと抜ける。…
ショウジョウ。象掌、生々とも。熊人、紅人と呼ばれるものもこれか。日本にはいない。嶺南、交趾(ベトナム)など熱帯に産する。山谷に数百の群れをなして暮らし、人に似て酒を好む。人の姓名、祖先の名字、その家に昔あった出来事などをよく知っている。 こ…
仁徳天皇の御代に飛騨の国に宿儺(すくね)というものがあった。ひとつの体にふたつの顔があり、背中合わせになっており、頭のてっぺんは合わさっていて、うなじがない。四つの手と膝を持つが踵はない(踵もくっついているのだろうか)。力が強く敏捷で、右…
神功皇后がまだ即位する前の頃、荷持田村に羽白熊鷲というものがあった。強健で翼がありよく飛び高く翔けた。朝廷に従わず人民から略奪していた。神功皇后に成敗されたと言われている。
神武天皇の御代に土蜘蛛というものがあった。身長は低く、手足が長く、『和漢三才図会』の著者は侏儒(小人症)と同類としている。皇軍は葛を編んで作った網で土蜘蛛を覆って殺した。葛城という地名はこのことにちなんでいる。
ついでなので口裂け女にも触れてみよう。口裂け女というのは非常に美しい女性であるが、口が耳まで裂けているのでマスクで隠している。人に出会うとマスクをはずし「わたしきれい?」と言う。この女のうわさが日本全国を疾風のように駆けめぐり、子供たちを…