探検家アンリ・メートルが二十世紀の初めにカンボジア奥地やベトナムを旅した際に耳にしたといわれるうわさ話。
身長150cm以下で、赤毛の厚い皮に覆われ、手足を曲げることが全くできない。前腕の裏側にはナイフの刃のように鋭い膜がある。これでヤブを切り払い森の中を歩き回る。
膝も肘もないので木の登ることができず、木の幹に寄りかかって眠る。木の根草の茎を食べて生きる。住居を造る方法は知らないようだ。獣のように放浪の旅をしている。
近隣の村人はこの野人を狩たてて食べている。そのため野人たちは次第に減り、今ではほとんど見られない。まれに足跡が発見されることがある。人の足跡に似るがとても小さい。