ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

狒々(参考『本草綱目啓蒙』)

 ヒヒ。費費とも。蘭山はヤマワロと訓じている。また、山笑、カンキョ人、梟陽人もこれと同じものとしている。深い山に住み、日本でも木曾(長野)、豊前(大分)、薩州、飛州、能州に住む。人に似て毛深く猿に似ている。毛は刺のようで赤い。死ぬと抜ける。口が大きく、人を見ると笑う。笑うと唇がめくれあがって額にとどき目を覆う。これをとらえるには、竹筒に手を入れて出せば、狒々は筒を握り唇をめくれあがらせて笑う。そこで人は竹筒から手を抜いて錐(きり)で唇を額に釘づけてしまえばよい。
 カンキョ人、梟陽人は『山海経』に見える。人面で黒い毛があり、唇が長く、人を見て笑い、とらえるには竹筒を使うとある。狒々と同じものであろう。