ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

 麟(参考『夢溪筆談』)

 至和年間(1054-1055)に、交趾(ベトナム)が麟を献上した。牛に似て大きく、全身に鱗があり、首(頭?)に一本の角がある。伝説にいう麟には似ていなかったという。山犀という人もいたが、山犀に鱗はない。麟と認めればベトナムにだまされたことになり、さりとて麟以外の何であるか確かめようがない。そこで異獣とだけ記録されたが、慎重で適切な対応であったと『夢溪筆談』の著者である沈括は言っている。沈括はこの獣を天禄であろうとしている。なおこの話は中国のいくつかの古典にあるが、沈括以外は「嘉祐三年(1058年)」としている。
 天禄については、沈括は石像を見てベトナムからの献上物と似ていると言っているが、それ以上の根拠はなさそうだ。