太歳(たいさい)あるいは視肉(しにく)
今日のイッテQは森三中が中国でいろんなものを食べていました。虫のたぐいは、まあ普通なのでどうでもよくて、太歳が興味深いですね。あれは日本でもたまに大量発生するオオマリコケムシの仲間でしょう。
オオマリコケムシは水の中に発生するゼリー状の肉塊で、サンゴみたいに小さな生きものの集合体らしいです。しかしパッと見ただけではそれが生きものとはわからず、かといって植物とも思えず、ひとりでに増えていく謎の物体です。
オオマリコケムシの大量発生がニュースになるたびに「中国人が視肉(しにく)とか太歳と呼んで食用にしてたのはこれかなあ」と思ったものですが、今日の番組では見事に不老長寿の薬扱いされてて溜飲を下げました。中国では貴重な品として高値がつくそうですから、これからは日本でオオマリコケムシが発生したら中国に輸出するといいですぞ(笑
太歳というのは普通は天体の木星のことですが、その化身と呼ばれている生きものは、全身に無数の目がある肉塊だと言われています。オオマリコケムシの写真を検索してみるとわかりますが、目玉のような丸いものが集まって大きなゼリー状の固まりになっています。まさに太歳の特徴そのものです。
『山海経』には太歳によく似た視肉というものも出てきます。視肉はウシの肝臓のような形をしており、一部を切り取って食べても勝手に増えて減らず、決して死なないと言われています。目玉が沢山あるという記述はなかったと思いますが、名前が視肉ですから、目玉に特徴があると言ってるようなものでしょう。わたしはこれも太歳と同じくオオマリコケムシの仲間じゃないかとにらんでいます。