ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

索餅(参考『和漢三才図会』)

 『和漢…』では、そうめん と訓じて、麦粉を塩水でこねて、油を塗ってぬめらせたものを細く伸ばして作るとしている。現在の索麺(素麺)の作り方とほぼ同じもののようだ。そもそも、索とは綱のこと。引っ張る道具のことである。餅は、日本では餅米を搗いて作るが、中国では小麦粉や米粉をこねて作った食べ物のことを言うから、綱のような餅は細長い麺のことだと考えられる。
 七月七日に索麺を食べる地方があるが、これは中国の伝説に由来している。高辛氏(伝説上の帝王)の少子は七月七日に死に、一足の鬼神となって人々を瘧(おこり)にした。そのため命日になると好物の麦餅を供えて祀るという。また麦餅を食べると瘧にならないとも言われている。
 『和漢…』の説のように、麦餅=素麺かどうか疑問が残るが、この説を信用するなら七月七日の素麺は天の川を模しているのではなく、瘧予防の妙薬ということになる。
 なお、瘧とは一定の周期で発熱し、悪寒やふるえなどのある疫病のことで、たとえばマラリアがそれにあたる。