ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

群馬のお飾り

 昔のことなので記憶が定かじゃないのですが、群馬ではちょうど今頃「お飾り」というものを買っていたような気がします。それはお酉様の熊手に類する招福アイテムで、細い竹の枝に俵・小判・千両箱・招き猫・梅などの花・的(まと)・サイコロ・鯛などの縁起の良い小物をぶら下げてあって、自分の記憶ではお酉様の日に熊手と一緒に売られていたような気がするんです。たしか「お飾り」とだけ呼ばれていたはずです。熊手を買ってるのは何か商売をしてるような家ばかりで、普通の家ではお飾りを買っていたような気がします。
 似たようなものが東京にはないのかと知人にたずねてみたところ、関西のえべっさんで「笹飾り」というものを売っているらしく、東京でもどっかで売ってるはずだということでした。
 そこで検索して画像を探してみたのですが、えべっさんの笹飾りは葉っぱのついた笹にお飾りをつけたようなものでした。群馬のものは葉を落とした笹の枝にお飾りをつけたもので、ルーツは同じような気がするけれど、ぱっと見かなり違うものに見えます。

群馬のお飾り
群馬のお飾りはこんなんでした

 こういうお飾りを暮れに購入して、一年間飾って翌年新しいものととりかえるんだったと思います。ただ、なんのお祭りで売っているのか思い出せません。高崎のえびす講でこういう飾り物を売ってるらしいので、もとはえびすさんゆかりのアイテムだったのかもしれません。でも、住んでた街にえびすさんのお祭りなんかあったかなあ。どうも記憶が定かじゃありません。
 とにかく、群馬では熊手ではなく笹のお飾りを買う家が多かったから、それが全国的に普通のことだと思いこんでいたわけですよ。ところが東京ではどこへいっても見あたらない、ということについ最近になってやっと気づいたというアホぶりを発揮している今日この頃です。

[追記]
検索してたらyosuieの模範的群馬県民生活というブログで桐生のえびす講が紹介されてるのをみつけました。桐生といえばわたくしが住んでた伊勢崎市からそれほど遠くないはず。あちらでは問題の笹飾りを「おたから」と呼んでいて、熊手とともに売られているようです。そういえば「おたから」という呼び名も聞いたことがあるような気がします。いや、そっちが主流だったかな。どうも記憶がはっきりしません。なんにせよ頭に「お」がついた四文字で呼んでたはずです。
 「おたから」「おかざり」が えびす講関係のアイテムであることは間違いなさそうです。ただ、伊勢崎にそういう祭りがあったかどうか覚えてないのですよね。少なくとも「えびす講」という名前のお祭りはなかったような気がするんです。検索しても高崎、桐生、沼田あたりのえびす講は出てきますが、伊勢崎はなさそう。別のお祭りで売ってるのを買ってたのかもしれないなあ。ちなみに、わたくしは東京生まれで群馬育ちで現在東京都在住です(と軽く自己紹介っておこう、トラックバック用に)。
 あ、そうそう。今住んでるところの近くにだるまと関係のあるお祭りをやるお寺がありまして、高崎からだるまを売りに来る人がいるはずです。暮れに縁日があるはずなので今年はのぞきに行ってみます。ひょっとするとお飾りもついでに売ってるかもしれません。

 さらに思い出したことがひとつ。お飾りについてる招き猫は黒くなきゃダメらしいんです。理由はよくわからないんですけど、お年寄りは必ず黒いのを探して買ってました。黒いのがみつからないど、あきらめて白いのを買ってくるんですけど「黒いのが縁起がいいんだ」ってぶつぶつ言いながら仕方なく買ってる感じでした。年々白いのが増えて困るとも言ってたような気がします。
 黒猫を嫌うようになったのは西洋文化の影響だって話を聞いたことがあります。その根拠になりそうな古典の一節でも出てくると気持ちがいいわけですが、残念ながらそういうのにはまだ巡り会ったことがありません。たぶんお年寄りの間では昔ながらの価値観がまだ残ってたんだと思います。