若松様って誰ですか?
そこで気になるのは「若松様」って本当は誰なのよってことなんです。
まず山形の若松様ですが、将棋の駒作りで有名な天童市にある若松寺(じゃくしょうじ)のことらしいです。奈良時代に行基が開山したと言われ、国の重要文化財に指定されている金銅聖観音像懸仏などがあるそうです。
参考>
若松観音
http://www.mogamigawa.gr.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_oid=&WIT_template=MUSEUM%2FPAVILION%2FDETAIL&WIT_jasminecharset=SHIFTJIS&id=164
花笠音頭(山形)
めでためでたの若松様よ
枝も (ちょいちょい)
栄えて葉もしげる
(はあ やっしょうまかしょの
しゃんしゃんしゃん)
- 花笠音頭の歌詞は150種類以上あるそうですが、わりとよく耳にする有名なもので若松様が出てくるのは上の歌詞だけのような気がします。地元の方で他にも知ってるという方はぜひトラックバックもしくはコメントを!
それから富山なんですけど、こちらはもう、ぜーんぜん知らないのでまずは問題の歌がなんなのか調べてみました。こちらは富山だけでなく北陸に広く伝わっているらしくて、検索すると飛騨の祝い歌のページがよくひっかかります。どれもお祝いの席で歌うもので、地方によって節回しも違えば呼び方も違うみたいです。
「めでた」
めでためでたの若松様よ
枝も 栄えて葉もしげる
(こりゃ ついたて なんとせず
ぜんぜの子 こりゃ まんまの子)
参考>飛騨 祝い歌
飛騨の恵比寿の郷ってところの祝い歌の紹介ページらしいです。
「めれた」
めれた めれたの 若松様よ
枝も栄える 葉も茂る
これを祝って 申すなら
事業ますます 末繁昌
これを肴に 御酒上がれ
参考>岐阜県飛騨市立山之村小中学校のサイト
で、若松様ってのは何かというと、これがぜんぜんわかんないんですよー。お寺の名前なのか、ご神木の名前なのか、それともどこかの藩のお殿様の名前なのか、なんか由来がありそうな気がするんですけどみつかりませんでした。知ってる人がいたら教えてください。
それから、最初に書いた種子島の若松様なんですけどね。民話のあらすじをまとめるとこんなんです。
むかし、せき姫と若松という姉弟がおりました。弟の若松は勉強がよくできるので、寺子屋の師匠からよくほめられます。近所の子供たちはくやしがって、なんとか若松をやりこめようとするのですが、若松はいつも姉の助けでうまく切り抜けてしまいます。ついにガキ大将は若松に毒を盛って病気にしてやろうとたくらみます。毒を飲んだ若松は寝込んでしまいますが、様子を見に来た子供たちに、姉は笑って言いました。
「若松は奥でお琴の練習をしていますよ」
耳をすますと、たしかに美しい琴の音がします。姉がつかまえてきた蟹を糸でしばって琴の上に置いたのです。蟹が弦の上をあるきまわると、そのたびに美しい音がするので、子供たちは若松が弾いているのだと思いこみました。
子供たちが帰ってしまうと、姉は若松の顔に牡丹の花の汁をふりかけて、こんな歌を歌いました。
うれしめでたの若松様よ
枝も栄ゆる葉もしげる
なおもめでたの若松さまよ
末は鶴亀五葉の待つ
とどけとどけよ末までとどけ
末も初めも花のごと
すると若松の顔に赤みがさして、みるみる元気になったということです。
種子島のやつは「めでた節」といって、お祝いの席で全員が正座して朗々と歌うものだそうです。せき姫と若松のことは、昔話にはろくな説明がありませんでした。お姉さんの名前に「姫」がついてるということは、おそらく由緒正しい家の子なんだと思います。それが種子島で貧乏生活をしていて、若松君なんか最初は寺子屋にも通ってないんですよ。どこからか落ち延びて種子島に住み着いたけど、地元民によそ者扱いされてるように見えます。
最後に、もうひとつ見つけちゃいました。奄美大島の若松様です。
「六調(ろくちょう)」
エー若松様よ
枝も栄える葉もしげるヨイヤナー
立てばしゃくやくすわればぼたん
歩む姿はゆりの花ヨイヤー
参考>http://www5.ocn.ne.jp/~nao1119/minyou/utakaisetu1.htm
奄美の若松様は踊り歌でかなり激しい曲らしいです。もともと島にあったものじゃなく「内地から移入したもの」だそうです。
こんなにあっちこっちで歌われている「若松様」って誰なんでしょうか。
今のところ具体的にコレのことだと分かるのは山形の若松寺だけなんですけど、山形が発祥とも思いにくいんです。なんとなく。
ここに神話時代と若松様が関係ありげだと書いてあるような気がするんだけど、読むの大変そうなのでひより中です。
↑諸般の事情で解読はパス。関係あるかもしれないけどコレ読んでもわかんない気がしたから(汗)