どうやら同種っぽいものたちのメモ
畑菜群
水菜群
- ミズナ(水菜)/京菜/千本菜/柊菜
- ミブナ(壬生菜)…葉に切れ込みのない水菜のこと
蕪・蕪菜群
- カブ(蕪)…ヨーロッパ種も和種も同種?
- トオヤマカブ(遠山蕪)…慶長六年1601年に上杉藩が米沢入りしたときに持ち込んだ野菜。いわゆる蕪とおなじくふくらんだ根を食べる。
- ヒノナ(日野菜)…和種
- ショウゴインカブラ(聖護院蕪)…和種
- ツダカブ(津田蕪)…和種
- スグキナ(酢茎菜)…和種
- カブナ(蕪菜)…根よりも葉を食べる蕪
白菜・体菜(小白菜)群
- ハクサイ(白菜)
- サントウサイ(山東菜)/ベカ菜
- シロナ(白菜)
- ヒロシマナ(広島菜)
- タイサイ(体菜)…パクチョイ・チンゲンサイなどの総称
- パクチョイ(白菜<結球しないもの>)/小白菜/広東白菜/シャクシナ(杓子菜)/白梗菜/セッパクタイサイ(雪白体菜)
- チンゲンサイ(青梗菜)…パクチョイの茎が緑のもの
- チンゲンナバナ(ちんげん菜花)
- ナガオカナ(長岡菜)…体菜と小松菜(または野沢菜)の交配種。
- ユキナ(雪菜)…トオヤマカブ(遠山蕪)とナガオカナが自然交配して出来たものだと言われている。春に種をとり、夏に種をまき、冬の雪の前に収穫する。この時点ではまだ食べない。収穫した菜っ葉を束ねて新聞紙と藁でつつんで畑にならべて土をかぶせる。そこに雪がふると天然の冷蔵庫状態になるが、ここでユキナは成長し花茎をのばす。青菜の養分をすった花茎は春までに20〜30cmにのびる。日をあびていないので白い。湯通しして水にとり、塩をして、ふすべ漬けという漬け物にする。別名蕪のとう(サライ2003年2月6日号)。
- コウサイタイ(紅菜苔)/ズーサイ(紫菜)/ベニナバナ(紅菜花)
- サイシン(菜心)/シントリナ(芯取り菜)/ユサイタイ(油菜苔)
- アスパラナ(アスパラ菜)/オータムポエム
搨菜群
これらをすべて同種とする資料があるが、現在は分類が変わっているかもしれない。学名は
- Brassica campestris(野生のBrassica)
- Brassica rapa(Brassica属の蕪)
のどちらか。
おそらくは campestris が古く、後に rapa に変更になったのではないかと想像(あくまで想像)。カブ(蕪)が代表的だがその他の根の大きくならないものもひとくくりにして rapa というらしい。チンゲンサイとパクチョイは Brassica rapa var.chinensis だったのが Brassica chinensis として独立したっぽい香りがする。ノザワナは Brassica campestris var.rapa もしくは Brassica campestris var.hakabura というシノニムがあるが、Brassica rapa var.hakabura があるかどうかわからない。
シノニムが多いのは仕方がないが、何が古く、いつどんなふうに変更になったか手持ちの資料では一切わからないのでこの件に関しては書いている本人にもよくわからない。読んでいる人にはもっとわからないだろうが、あやふやなまま情報を流布してる専門家が一番悪いのでわたくしに苦情を言わないように。
現在のところ、上記のリストのうちチンゲンサイとパクチョイは現在では別種として独立したんじゃないかという感触がある。その他は今も同種として扱われているっぽい気がする。気がするだけで根拠なし。
http://gmr.landfood.unimelb.edu.au/Plantnames/Sorting/Brassica_rapa.htmlを見ると分類だけでなく表記法まで変わっているようで泣きそう。var. とか ssp. とかに書き換えたらよろしくないんだろうか…ああ、でも変種なのか亜種なのかというウザイ問題を回避するためにはナントカグループとしてしまったほうが簡単かー。ここのリストを信用するならパクチョイもチンゲンサイも同種のままで独立してないっぽいし。でもこれ、いつ頃の最新なのかしら。っていうか、こういうものってひょっとして流派とかあって同時に別の分類がまかりとおっていたりする??? ああ、もうなんだかよくわからなーい。
2004/09/03 この件に関しては「珍獣様の博物誌「Brassica rapa のいろいろ」」に現在のところの自分の考えをまとめてみた。