ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

球電(参考『謎の発光体・球電』)

 球電という現象は、必ずしも雷雨を伴わないが、雷とともに現れることが多い。それは光の玉で色はさまざまである。時にブラックホールのように光を吸収しているかのように真っ黒なものまで現れる。形は丸く、大きさはピンポン球のように小さいものから、もっと大きなものまであるという。稲妻はまっすぐに地上へ落ちてくるが、球電は迷走するようにあちこち走り回る。球電が顔のすぐ近くを通り過ぎて行ったという人によれば熱さを感じなかったというが、それは球電に触れていないからで、もし衝突していたら球電は激しい音をたててはじけ、熱と衝撃で人やものを破壊する。なんらかの電気的な現象であることは確かだが、その正体はいまだ知られていない。ハンガリーでは研究者エゲリ・ジョルジの呼びかけで球電の発生事例が多く集められているが、日本でははっきりそれとわかる現象は報告されていないという。
 エゲリ・ジョルジの著書『謎の発光体・球電』に、古代中国の事例として沈括の『夢溪筆談』からの引用がある。以下は板井一真氏による日本語訳からのメモである。「李順秋の家が爆音とともにふるえた。大広間の西に光りが現れ、家の者たちは家が燃えていると思い逃げ出した。光が消えたのちにもどってみると、家には被害がなく、障子やふすまに孔や黒ずんだ部分があった。木製の台に塗り物の器があったが、銀の取っ手が溶け落ちていたものの、器は無傷だった。刀は鞘になんら変化がないにもかかわらず刀の一部は溶けていた」人名の表記が『夢溪筆談』と違うのは原文のまま。