十二支についてのあれこれ
酉年というキーワードで来てくれる人が増えてまいりました。はてさて、酉年の何をもとめて来るのやら。ともあれ来る人がいるなら罠をしかけておくもよし。十二支と酉年にまつわる話を少し。
中国と、中国の影響を受けたアジア各国では生活に十二支が生きています。十二支というのは「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」のことです。アジアでは、十二支で時を数え、方位にも当てはめました。そのルーツは古く紀元前までさかのぼることができます。
子とか丑とかいう文字は、今でこそ動物があてはめられていますが、もともとは文字に大した意味はなかったと言われています。その証拠に、酉という文字の含まれる漢字を見ると、酒・尊・配・酢… どれも鶏や鳥とはなんの関係もなさそうなものばかりです(酉だけではありません。他の文字もたいていそのはずです)。
十二支は、時刻や方位をあらわす手段なので、数字でも記号でもよかったわけですが、中国の場合、酉年から次の酉年まで十二年という具合に年単位の勘定にも使いますから、数字よりも記号的な名前が必要だったんじゃないでしょうか。
ところで、西洋の星占いには十二宮というのがありますよね。太陽の通り道である黄道を十二等分したのが十二宮です。エジプト、バビロニア、インドでは何千年も昔から十二宮に動物を当てはめていました。この考え方が中国に伝わり、十二支にも動物を当てはめるようになったのではないかと考えられています。それが戦国時代(紀元前403〜221年)だろうとか、西方との交易を盛んにおこなっていた前漢時代(前202〜後8年)のことだろうとか言われていますが、少なくとも紀元後に入ると十二支に動物をあてるのは常識になっていたようです。