ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

なぜ酉に鶏があてられたか?

 ところで、なぜ酉に鶏があてられたのでしょうか。
 これが、まるっきりわからないのですよね。十二支を方位に当てはめると、子が北ですから、酉は真西にあたります。西というのは太陽の沈む方角です。
 一方、鶏は夜明けに鳴くので太陽を呼ぶ生き物だと考えられています。なら、東に配置してもよさそうなのに、なぜか西なんですよね。まあ、太陽の沈む場所に、太陽を呼ぶ生き物を配置して、もういちど太陽が戻ってくるように願うのかもしれませんが、あまりパッとした説明ではありません。

 この件に関しては十二支という発想を生み出した中国人ですら首をひねってしまうようです。
後漢時代に著された『論衡』という本に「十二支に動物をあて、それぞれが五行に対応していると論ずる人がいるが、その考えが正しいのなら、水にあたる子(鼠)が火にあたる午(馬)を追い払わないのはおかしい」と書いてあります。

 五行説は世の中のすべてが火・水・木・金・土の五つの気でできているという考え方ですが、方位を五行にあてはめると北は水で、南は火です。水は火に強いはずです。水=北=子=鼠だとすると、火=南=午=馬と始終喧嘩して鼠が勝たなくてはいけないのに、鼠と馬のあいだには、そのような対立はありません。

 そんなこんなで、酉に鶏があてられた理由はよくわからないのです。とはいえ、こういうものはこじつけようと思えばどうにでもなるような気がしますから、もし面白いこじつけ例を見つけたらコメントとか残していってくださると嬉しいです>みなさま

# 十二支に動物を当てたのは『論衡』の著者である王充だという説があるそうですが本当でしょうか。わたくし『論衡』はいちおう読んだのですが、かなーりええかげんな読み方をしたので「十二支が五行に対応してるなんてナンセンス!」って否定してるとこぐらいしか記憶にないです。もし王充が犯人だとしたら、由来については彼がちくいち説明できるはずだし、あのオッサンなら説明しないはずがないです。でもそういう説明はしてなかったような気がするんですけど、どうなんでしょう。あくまで文献に現れる十二支の例として『論衡』が最初だってことなら納得いくのですが。