紫姑神(参考『夢溪筆談』)
紫姑神は便所の女神である。
ある人の妾で本妻にいじめられ、毎日厠掃除をさせられていた。この女が正月十五日に死んだので、この日に紫姑をまつり、その年の蚕の良否をたずねた。また、便所に紫姑の像をつくり酒などを備えてまつる。正月十五日に限らず紫姑神を呼び出すことができる。呼び出し方は定かではないが、なんらかの方法で紫姑を人に降ろして話を聞く。
沈括は『夢溪筆談』の中で、自身も子供の頃に紫姑神を呼び出したと言っている。呼んだはいいが帰ろうとしなかったので、恐れて二度と呼ばなかったと言っている。紫姑神が人に降りてくると、蓬莱から流された仙人であるとか、上帝の後宮の女であるなどと自称する。また、突然字がうまくなり、美しい文章を作れるようになるともいう。
日本でいうコックリさんのたぐいだろうか。