ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

宇宙服のお値段

 丸の内のOAZOというビルにJAXA宇宙航空研究開発機構)のショールームがありまして、先日そこで展示品の宇宙服をぼけーっと見ていたら、解説員と思われるおじさんがやってきて、
「これは船外活動用の宇宙服ですが、いくらすると思いますか?」
と言いました。船外活動用の宇宙服というのはここで詳しく解説されている白い宇宙服です。アポロの月面着陸の時に使われたものに近いデザインのやつ。

 そんなこと聞かれても、まるっきり想像がつきません。国産車が買えるくらい? それとも田園調布に家が建つくらい? なんてことを考えていると、おじさんがさらに言いました。

「やはり作業用に使う赤い服があるのですが、あれで4000万円です」

 赤い服というのは、たぶんここの2月13日の記事で若田光一宇宙飛行士が着てるやつだと思うんだけど、これが4000万円するんだそうです。それだって大層な高級品だけれど、この程度ならばそんなに驚かない。「へー、そうなんですかー」と適当に相づちを打っていたら、おじさんはニコニコしながら言いました。

「こっちの船外活動用の服は、アポロの月面着陸の時代には完全にオーダーメイドだったので値段がつかないほど高価なものでしたが、今はパーツ毎に各サイズが用意されていて、飛行士の体にあわせて組み立てるだけなので10億円ほどで作れるようになったんですよ」

 へー、セミオーダーなんだ……と、これまた適当に相づちをうちかけてギョッとしました。じゅっ、じゅうおくえんっっ?! 正確には10億○千万円と言ってました(10億5千万だったかな)。それでも安く作れるようになったっていうんだからイヤんなっちゃう。一般人が宇宙遊泳できるようになるのはまだまだ先ですねえ。

 宇宙服といえば、『ふたつのスピカ』という漫画で宇宙飛行士になるための専門学校に通っている主人公が、あまりにも背が低いので体に合う宇宙服が学校にはなくて、オーダーするとかしないとか……って話があったと思うんです。ものすごい高価な品だというのは漫画の中でも言ってた気がしますが、10億と言ったら学校を建て替えられそうな金額じゃないですか。宇宙飛行士の専門学校が創設されるような時代の話だから、宇宙服ももう少し安くなっているかもしれないけれど。そりゃ簡単には購入できませんわなあ。

JAXA|宇宙航空研究開発機構