ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

サンタクロース(所さんの目がテン)

フィンランドで現在サンタ村があるのは北極圏近くのロバニエミ。オーロラが良く見える。ここはサンタの出張所でさらに北、ロシアとの国境近くにあるコルバトゥントゥリ。これは耳型の小山の意味。
サンタのそりは九頭だてのトナカイのそり。しかしトナカイの群れにはリーダーがおらず多頭だてのそりは実際には難しい。
トナカイは厳寒地で餌を取るために単独行動をする。仲間と餌を奪い合わなければならないからだ。そのためトナカイは雌にも角がある。

珍獣 from j-phone

# 追記(これ書いてるの1月10日でっせ)
 目がテンは二週にわたってサンタクロース特集を組んでいたのですが、二週目の内容は少々ショッキングでした。コルバトゥントゥリーがサンタクロースの住所とされるのは、古くからの伝承ではなく、ラジオのパーソナリティーが思いつきで言ったことが元になっているというんです。

 1927年、マーカスおじさんと呼ばれる人気パーソナリティーが、子供たちの質問に答えて「サンタクロースはコルバトゥントゥリー(耳型の小山)に住んでいるんだよ。どうしてかって? その大きな耳で、本当に良い子でいるか、悪い子でいるか聞いているのさ」それ以来、フィンランドではサンタクロースはコルバトゥントゥリーに住んでいると信じられている。たった80年の伝承だったなんて。

 たったの80年とはい、その間ずっとサンタの聖地とされているのだから、コルバトゥントゥリーになんらかの観光施設などがありそうなものですが、それすらないのだそうです。この山はロシアとの国境にまたがっているので、頂上には国境警備隊の小屋があるだけで、滅多に人が近づかないとのこと。

 それでもここは、フィンランド人にとって本当にサンタクロースのいる場所なので、第二次世界大戦フィンランドソ連に負けたとき、ソ連はこの山をソ連領にしようとしたけれど、「ここは子供たちにとって大事な場所だから」と交渉して、山の半分だけフィンランド側に残された、という逸話もあるそうです。

 また、フィンランドではクリスマスツリーに使うのはモミではなく、トウヒという別の植物だそうです。ヨーロッパでは北緯50度より北にモミの木が生えないのでトウヒを使うしかないらしいのです(番組では「本場の」を連発していましたが、クリスマスツリーの本場がフィンランドかどうかは怪しいのですけど)。ちなみに、ニューヨークのロックフェラーセンターのツリーもトウヒだそうです。

 なお、サンタクロースはトルコで布教してたセント・ニコラウス司教がモデルになっていると言われてまして、それがヨーロッパ各地の妖精の伝説と結びついて現在のようなものになってます。なので、サンタクロースの本場と呼ばれる場所はヨーロッパの各地にあって、それぞれ少しずつ性質の違うものです。

 フィンランドの伝統的なサンタクロースとして番組で紹介していたのは、獣のような顔で頭に角があり、なまはげのように子供たちをおどかしに来るようでした。

 また、番組ではイギリスのサンタクロースとしてファーザークリスマスを紹介していました。ヒゲの長い太った老人で、現在世界的に信じられているサンタクロースの姿に良く似ています。

 それからイタリアのサンタクロースとしては、ベファーナをあげています。ベファーナは男性ではなく、なんとびっくりお婆ちゃん。ホウキで空を飛び、煙突から家に忍び込んでプレゼントを配る良い魔女とされているそうです。サンタクロースが煙突から出入りする伝承の元になっているかもしれません(諸説あって、フィンランドのラップ地方では、ラップ人の小さな家が雪に埋もれてしまうと煙突から出入りするしかなかったから、という説も聞いたことがあります。たしかデズモンド・モリスと言う人の本に書いてあったと思いますが手元にないので確認できません)。

 さらに、アメリカ航空宇宙局NASA)に、サンタクロースとの遭遇記録があるという話も紹介されていました。アポロ8号が月の裏側に行った時(もちろんこの時は上空を飛んだだけで着陸はしなかったわけですが)、宇宙飛行士は地球に向けて「月でサンタクロースを発見した」と通信しました。実はこの日、地球はクリスマスだったのです。アメリカ人はこの手のジョークが大好きです。北米航空宇宙防衛司令部(ノーラッド NORAD)は52年もの間、ミサイル防衛レーダーを使って世界中を飛び回るサンタクロースを追跡しています。なんでも、赤鼻のトナカイ・ルドルフが発する赤外線を衛星レーダーでキャッチするのだそうで、クリスマスが近づくとサンタ追跡用の専用サイトまで開かれて、きわめて真面目にふざけ続けているのです(そういえば去年は見なかった)。毎年のことながら、アメリカ人のそういうところは素晴らしいと思うのでした。