ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

女系天皇と女性天皇

 最近話題の皇位継承者問題。天皇家にはここ40年くらい男の子が生まれていないので、このままいくと男の皇位継承者がいなくなってしまう可能性すらあります。そこで問題になるのは「愛子様天皇になれるのか」ということ。


 天皇は基本的に男がやるものらしいんです。でも女性が天皇になれないわけじゃないんです。もちろん過去に何度か女性天皇もいました。


第33代 推古(すいこ)天皇
 在位期間592〜628年。第29代 欽明天皇の皇女。第30代 敏達天皇の皇后。
第35代 皇極(こうぎょく)天皇
 在位期間642〜645年。第30代 敏達天皇の曾孫。第34代 舒明天皇の皇后。
第37代 斉明(さいめい)天皇
 在位期間655〜661年。この人は皇極天皇と同一人物です。
第41代 持統(じとう)天皇
 在位期間690〜697年。第38代 天智天皇の皇女。第40代 天武天皇の皇后。
第43代 元明(げんめい)天皇
 在位期間707〜715年。第38代 天智天皇の皇女。草壁皇子の妃。
第44代 元正(げんしょう)天皇
 在位期間715〜724年。草壁皇子の娘。未婚。
第46代 孝謙(こうけん)天皇
 在位期間749〜758年。第45代 聖武天皇の皇女。未婚。
第48代 称徳(しょうとく)天皇
 在位期間764〜770年。聖武天皇の皇女。未婚。
第109代 明正(めいしょう)天皇
 在位期間1629〜1643年。第108代 後水尾天皇の皇女。未婚。
第117代 後桜町(ごさくらまち)天皇
 在位期間1762〜1770年。第115代 桜町天皇の皇女。未婚。


 この方々はすべて女性天皇ですが、女系天皇ではありません。


 じゃあ、どういう場合を女系・男系というか。
 どんな人にも父親と母親がいます。天皇にも父親と母親がいます。父親の血筋をたどっていった時に天皇につながっているのが男系、母親の血筋をたどった時に天皇につながるのが女系です。


 過去の女性天皇を見てみると、そのすべてがお父さんが天皇だったり、父方の曾お爺ちゃんちゃんが天皇皇極天皇は、敏達天皇の息子のそのまた息子の娘)だったりするわけです。こういう場合は男系の女性天皇ってことになりまして、女系天皇ではありません。


 愛子様の場合、お父さんが皇太子ですから、もし天皇に即位したら男系の女性天皇になります。これなら過去に例がありますから、あまり問題にならないケースのようです。


 じゃあ、もし愛子様に男の子がうまれた場合はどうなるでしょうか。
 もしも愛子様が普通の人をお婿さんに迎えて子供を産んだとしたら、母方だけで天皇の血筋につながることになります。これが今問題になってる女系天皇で、本人が男でも女でも、母方のみで天皇につながっているので女系ってことになるんです。天皇家の歴史にはいままでなかったことです。これを認めたくないという人がけっこういるのですね。
 日本のように、ひとつの王朝が千年以上つづいているケースはとても珍しいことです。しかも男系の血筋で続いているとなれば、他には例を見ないのだそうです。その伝統をここで終わらせていいのか、というわけです。この意見にもかなり重みがあります。なんせ珍しいんですから。たとえば中国にも最近まで皇帝がいましたが、中国の皇帝は同じ血筋で続いたわけではありません。何度も戦争があって、勝った人が国を作って新しい皇帝になりました。日本では、戦争で勝った武将は自分が天皇になろうとはせず、天皇に許しをえて国を支配しようとしました。こういう国は他にはあまりないんです。


 だったら、まずは男系女性天皇愛子様天皇になってもらって、その間には男系の男の子もどこかの宮家にきっと生まれるでしょうから、その人に次の天皇になってもらうという手もあるにはあるんですけど、果たしてそんなこと国民が受け入れられるんでしょうか?


 だって、愛子様に子供が生まれたら、国民はきっと「かわいいね」「立派に育ってね」ってニコニコしながら見守るのですよね。だのに、もし女系天皇を認めなかったとしたら、その子が男の子であっても天皇にはなれず、あまり注目されていない、どこかの宮家の人が出てきて天皇になっちゃう可能性があるわけです。そうするのが天皇家の家庭の事情だとしても、見ていてスッキリしないという思いがしませんか。そんなこと繰り返しているうちに、天皇家自体もういらないよってことになりかねない気がするんですけど、どうなんでしょうね?


 もうひとつ手があります。愛子様天皇と血のつながってる人と結婚すればいいんです。たとえば従姉弟となら結婚できますから、もし秋篠宮家に男の子が生まれたとして、その子と結婚したら、愛子様の子供は男系になります。こないだ結婚した黒田清子さんの家に男の子が生まれたら、清子さんは一般人になっちゃいましたけど、血筋でいえば男系でつながってるので、この場合もオッケーでしょうか(ちがってるので削除。宮家の人でも途中に女が入っちゃったらダメなのだ! あくまでお父さん、そのまたお父さん……って感じで天皇に続いてないとだめなのよ)。でもそれじゃ、愛子様は、自分の気持ちを無視して結婚相手を決めなきゃいけないかもしれないんです。それはそれで、見ていてスッキリしないんじゃないでしょうか。


 伝統を守るか、わかりやすく親しみのある皇室を守るか、そのどちらも大事なことです。このへんで決まりを見直すのはよいチャンスなんですけど、まずはお父さんの浩宮様が天皇になってからなので、愛子様の時代になるとしてもだいぶ先の話です。考える時間はまだまだありそうなのに小泉首相女系天皇容認の方向で、とっとと皇室典範を変えたいみたい。さて、みなさんはどっち? まあ、愛子様に弟ができるか、秋篠宮家に男の子が生まれたら、とりあえずこの場はまるくおさまっちゃいそうなんですけど、なんか生まれそうもないし。


# ちなみに現在の決まりだと、皇位継承権は、天皇の長男、次男……と続いて、天皇の弟、天皇の叔父って感じの順位になってるようです。愛子ちゃんパパが天皇になって、もし愛子ちゃんに弟が生まれていなかったら、次は弟の秋篠宮様天皇になるんですが、年齢差がほとんどないですから、あっというまに次の代になってしまいます。ピーンチ!
# 天皇家の男の子では秋篠宮様が一番若いので、このままの状態だといずれ「女性天皇」は認めざるをえなくなるような気がします。だってそうじゃないと続かないもん。愛子ちゃんが天皇になるかどうかは、案外あっさり「仕方ないし前例もあるから」ってことでクリアするんだと思います。問題はその次に続く「女系天皇」をどうするかってことなんですよ。