モーケン族
マレー半島の西、アンダマン海にはモーケンと呼ばれる海の民が住んでいる。一説によれば二千年前からこの地に住むとも言われる。彼らは独特の潜水法をもちいて漁をする。足ヒレも重りも付けない素潜りだが、潜るときに海面で息を「吐き」水深5メートルまで一気に潜る。肺の中に余分な空気があると浮力がついて邪魔になるからである。どのくらい吐くかは潜る時間で調節するとのこと。人の体が浮力の影響を強く受けるのは5メートルまでだそうで、それより深くなると浮きにくくなる。
◎ふしぎ発見 09年07月18日放映
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/mystery1107_1.html
タイのスリン島に住むモーケン族を紹介。島の浜辺に高床式の家をたてて住んでいる。屋根も壁も椰子の葉で葺いてある。彼らは昔ながらの生活をしており、魚も自分が食べる分しか取らない。そのため、自然保護のために漁を禁じられている海域でもモーケン族だけは漁を許可されているとのこと。漁の道具は水中メガネと銛だけ。船は木造で、今ではエンジンがついている。
普段は魚をとって暮らしているが、海が時化て漁ができない時だけ燕の巣をとり現金収入を得る。燕の巣は崖にあるため、男たちが高いところから落ちないように、髪の毛の手入れをやめて安全を祈願する。髪をくしけずる様子が高い場所から滑り落ちる様子を連想するからとのこと。
スリン島の食事は魚のカレーや魚の唐揚げ。主食は米。子供たちはどの家にも出入り自由で食事時になるといろんな家の子が集まってくる。
モーケンとは「溺れた人」という意味で、住んでいた大陸が沈んだため、そのまま海で生活するようになったと伝えられている。モーケン族は文字を持たず、伝説はすべて口伝である。
モーケン族の由来についてモーケン族 - Wikipediaに異説が紹介されている。
祖先の女王の妹の沈没を意味する。祖先である女王は、水と米と火をもたらした船乗りと結婚する。ところが、男は、女王の妹と姦通して、陸上から追い出された。
2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震の時、スリン島のモーケン族は、今より南の入り江に住んでいた。津波が押し寄せる直前、潮が300メートルも引いた。「海が彼方に引いたらラフォーク(大波)が全てを掃除しに来る」という伝説を信じ、村人全員で山に避難。5分後に津波が押し寄せた。村は全壊したが、津波で死んだ村人はひとりもいなかったという。