ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

なら、世界最古のアニメはなんなのか?

 世界最古のアニメは、五千年前のイランで壷かなんかに書かれたカモシカの絵なんだっていうのは聞いたことあるんですが……

◎世界初のアニメ発見?5千年前のイランが起源
http://anime.blogzine.jp/animeanime/2004/12/5.html

 イランのオンライン新聞ペルシアンジャーナル(Persian Journal)の12月30日の報道によると、世界最古のアニメーションがイランのバントシティで発見されたという。この記事によるとイランの南東部にあるバルチスタン州のバントシティで発見された土製ゴブレットに描かれたヤギの絵がそれだ。この絵は、高さ10センチ、横幅8センチで木に向かって飛び跳ね草を食べようとしているヤギの絵が描かれている。これまでに、同様の絵は幾つも発見されたが今回のように細密な動きのある絵は初めてであり、世界初のアニメーションと呼べるものだとしている。(2004.12.31 アニメ!アニメ!)

http://www.cais-soas.com/News/2008/March2008/04-03.htm
↑ここでGIFアニメにしたのを見られる


 でも、イランの例は、あくまで連続した絵を壷の表面に並べただけで、それを動かして見たという記録はないわけですよ。わたしが求めているのは、あくまで動画として見ることを目的として作られたものなんですが、このニュースがあまりにも有名になっちゃったせいか、検索しても簡単に出てこないのよね。たぶん、落ち着いて探せばみつかるとは思うんだけど。
 
# ふと思い出したけれど、アニメや漫画のルーツとして、有史以前の遺跡に残されている壁画をあげるのはアニメ・漫画史の伝統手法なのかもしれません。アルタミラだったか、ラスコーだったか、あるいは別の遺跡かもしれないけれど、岩に描かれた牛の絵に、足が六本だか、八本だか、多く描かれている例があると何かの本で読んだことがあります。ギャグマンガで走っている人の足を沢山描くのと同じです。
# ↑アルタミラでした。
http://www.tcat.ne.jp/~oguchi/Animation%20BC-1909.html
こういった例は他にもありそうです。
動きを表現しているのか、大群であることを表そうとしているのか、ビミョーな気はしますが。こっちをルーツとする説をとるなら二万年から八千年前(ずいぶん幅があるな)だそうですから、イランの例よりずっと古いです。

# 「動画として見るのを目的とした」アニメーションのルーツは、上記のサイトにある「ソーマトロープ(Thaumatrope, 1825年)」がギリギリの線ではないでしょうか。それ以前のはおそらく鏡を利用したトリックなので、複数の絵を連続して見せることで動きを作るアニメの手法とは違っています。ソーマトロープは団扇の表に小鳥、裏に鳥かごを描いてクルクル回すと小鳥が鳥かごに入って見えるというものです。翼を広げた小鳥、翼を下げた小鳥を描けば羽ばたく鳥のアニメになるはずです。
# フェナキスティスコープ(Phenakistoscope, 1832年)やゾートロープ(Zoetrope, 1833年)になると、完全にアニメーションですね。あちこちの博物館でレプリカを展示しています。
# マイブリッジの連続写真(1878年)は、小学校か中学の国語の教科書で読んだような気がします。アニメーション(もしくは映画)の始まりを説明する趣旨ではなく、高速で走る馬の足の動きをどうやって記録するか考えた人の話だったような気もしますが。
 
 そして、本格的なアニメーションのはじまりは…

「愉快な百面相」(Humorous Phases of Funny Faces,1906年)
 ジェームズ・スチュアート・ブラックトン(James Stuart Blackton)が、黒板に描いた絵をコマ撮りした作品。これをもって、本格的なアニメーションの誕生とされている。アメリカ。

これみたいですね。