ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

台湾の視力検査表

 先日テレビを見ていたら、台湾では病院をイメージしたレストランが話題になっているそうな。男性店員は白衣を着て聴診器を下げているし、女性店員は看護婦さんのかっこうをしてる。飲み物は点滴のパックのようなものに入っており、点滴のチューブみたいなものでコップに注がれたりする。そのコップというのも普通のコップじゃなく、試験管やビーカーだったりするという。

 それ自体面白いんだけれど、目を引いたのは店内に貼ってあった視力表である。なんと、ランドルト環ではないのだ。日本で視力検査表といえばランドルト環といってC字があっちこっち向いたようなのが主流だと思う。他に、平仮名や片仮名の視力表もあるけれど、それが日本ローカルなのはわかっているし、海外にもそれぞれの国の文字で同じものがあるだろうことも予想できる。子供用に動物の絵が書いてあるのも見たことがあるけれど、それも世界中に同じようなものがあるかもしれない。

 台湾の病院レストランにあったのは、子供用の動物表ではないし、漢字や注音記号でもない。たぶんアルファベットでもないと思う。たぶんというのはランドルト環がアルファベットのC字に見えるのと同じく、台湾のそれもアルファベットのある文字に見えるからだ。平たくいうとEの字が上を向いたり下を向いたりしているようなものなのだ。

 これはかなりのカルチャーショックである。視力表といえば世界中でランドルト環なのではないかと思いこんでいたからだ。台湾ではE字の視力表が主流なのか、はたまたしゃれっ気でそのお店が独自に作った視力表なのか、気になる。激しく気になるー!

 というわけで、こんな時こそグーグルさんに聞いてみよう。台湾だから繁体字で「視力檢査表」とかで画像検索したらどうだろう。

検索結果1

 これは、いきなりトップにひっかかるのがE字の検査表ではないか。日本のと同じランドルト環も使われているようだけれど、E字の検査表も複数ヒットするので、やはり台湾ではE字なのである。

 だったら大陸中国ではどうなのかと思い、簡体字の「视力」で画像検索してみると……

検索結果2

 やっぱりEだっ!! イラスト的な記号の検査表も混じっているけれど、それ以外はE字式ばかりでランドルト環の画像がひっかからない。

 じゃあじゃあ、欧米各国ではどうなのよと思い、とりあえず「Eye chart」で画像検索してみると……

検索結果3

 がーん、ほとんど各国のアルファベットのものばかり。たまにランドルト環が混ざっていると思うと日本のサイトの画像じゃないか。しまった、ランドルト環世界共通説は単なる思いこみだったのか!

 改めて調べると、ランドルト環というのは19世紀後半から20世紀はじめにかけて活躍したフランスの眼科医が考案したものだそうである。フランスか。ランドルト環の発祥の地ではどんな視力検査表を使っているのか気になるところだけれど、視力検査表をフランス語でなんというのか思いつかない(web翻訳の直訳じゃなく、日常的に使われている単語でという意味ね)。