壁塗りが終わったみたい
新築中のご近所は壁の塗装が終わったみたいです。今見たら壁を覆ってたシートがはずされてました。もう日が暮れてるのでよく見えないけど何色に仕上がったのかなあ。
昨日は家の作り方は変わったけれど、作ってるのは今も大工さんって話をしました。そしたら「ちげーよ、墨壷とか使ってるのが見たいんだいっ(激しすぎる意訳)」というトラックバックが届きました>このへんから。そういえば最近は墨壷を使ってる大工さんを見かけません。柱はきれいに製材されたものが運ばれてくるし、壁は木じゃなくて石膏ボードだし、それもきちんと所定の大きさに切ったのが現場に来るみたい。墨壺は長い直線を引くための道具なので、何から何までお膳立てされてる現場では不要なものなのかも。
墨壺を最初に見たのはいつだったかなあ。友達の家の物置だったか、自分のおばあちゃんちのバラックだったか、ガラクタの山に埃をかぶった墨壺を見つけた時でした。それはちょうど、このページにある一番上のやつを、もうちょっと安っぽくしたみたいな形をしていて、糸車に黄色いナイロンの細い紐が巻き付けてあったのを覚えてます。線を引く道具だというのはそのとき誰かに教えてもらいましたが、実用品だと聞いて違和感を感じたのを覚えてます。壺の部分に木魚を思わせる装飾があって、そのままお仏壇に飾ってもいいような気がしたから。
同じページの下の方を見ると、東大寺の南大門から墨壺が出てきた話がちらっと紹介されてますが、墨壺は大工さんの魂と呼ばれる道具なんだそうです。料理人にとっての包丁みたいな感じでしょうか。でも、なぜ金槌やのこぎりじゃなく墨壺なんでしょうね。
ひょっとしたら直線に意味があるのかなあ。家でも橋でも正確な線を引けなかったら作れないし、ものさしじゃ足りない長い直線を創る作業は人ならぬ何かの力を使ってはじめて成功するような特殊な作業だったのかも。