巨大なクレーター・リース盆地(世界ふしぎ発見)
ドイツ・リース盆地。
直径1kmほどの隕石でできた巨大なクレーター。
ネルトリンゲンはその中にある街だが、ネルトリンゲンそのものがクレーターではない。なぜか城壁がクレーターのように真ん丸に造られている不思議な街。進撃の巨人の舞台のモデルになったとか。
隕石の落下による熱や衝撃などで作られる特殊な岩石をスーバイトと言う。衝撃岩と呼ばれている。この石は古来、街の城壁などに使われている。
リース盆地の中心には人口二千人ほどのダイニンゲンという村がある。撮影時工事中だった教会の櫓にのぼると、360度山脈のようなものに囲まれていることがわかる。
1500万年前、リース盆地は雨で水が溜まっていた。しかし、地盤から溶け出した塩分により水は塩水で、水が減ったり増えたりを繰り返す環境変化のため生物はほとんどいなかった。ごく小さなカタツムリの一種だけが繁栄していたことが化石からわかるという。
チェコのモルダウ川で採れるモルダバイトは、リース盆地に落ちた隕石が飛ばした岩石が成層圏まで巻き上がり、それが450km離れたチェコに落ちたものだという。
リース盆地を作った隕石と同時期に、南ドイツには他にも隕石が落ちた。リース盆地から40kmほど離れたところにシュタインハイムというクレーターがそれである。この時できた盆地にも水がたまったが、隕石が小さかったため浅く、生き物の宝庫になったことが化石によってわかるという。
隕石の名前は、一番近くにある郵便局の名前を付けると決まっているそうだ。砂漠など街のないところに落ちたとしても、そこを管轄としている郵便局は必ずあるからだそうだ。発見者の名前を付けないのは、何人もが見ている可能性があるからとのこと。これはNASAの資料にもある正式な命名法らしい。