ミシシッピの生活:マーク・トウェインというペンネームについて解決編
◎話の発端
http://d.hatena.ne.jp/chinjuh/20111001#p3
◎つづき(コメント欄も含めて読んでね)
http://d.hatena.ne.jp/chinjuh/20111002#p2
というわけで(めんどくさいから上のリンクを読んでください)『ミシシッピの生活』という本を借りてきました。長いし全部に興味があるわけじゃないので問題の第五十章だけ読んでみます。
ミシシッピの生活 〈下〉?マーク・トウェインコレクション (2 B)
- 作者: マーク・トウェイン,Mark Twain,吉田映子
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 1995/01/01
- メディア: 単行本
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- アイゼイア・セラーズ船長は船乗りの最長老だった
- 川に関する簡単で実用的な情報を短い記事にまとめニューオリンズ・ピカユーンという雑誌(新聞?)に投稿していた。この時の署名が<マーク・トウェイン>だった、とこの本では主張されている。
- セラーズ船長は尊敬もされていたけれど煙たがられていた。特に彼が川について語る時「自分の記憶では○○年以来なかったことである」というような言い回しは物笑いの種になっていた。
- わたし(後のマーク・トウェイン)が新聞記者見習いだった頃、セラーズ船長の署名記事をパロディ化して人に見せたら、そのまま印刷されて公表されてしまった。
- セラーズ船長はそのことに激怒して二度と署名記事を書かなくなった。
- セラーズ船長の訃報を聞いた時、「わたし」は彼のペンネームだったマーク・トウェインを自分のペンネームとして「これが彼のものであった時のようにしておこうと、これまで最善をつくしてきた。すなわち、これを付してあるものはなんであれ、石のようにがちがちの真実であると賭けてもいいというしるしであり、シンボルであり、保証である」
というようなことが書いてありました。
マーク・トウェインが若気のいたりでセラーズ船長パロってしまったというのは本当らしいです。しかし、セラーズ船長のペンネームを拝借したというのはどうも嘘っぽいです。マーク・トウェインという名前でものを書く時はがちがちに真実だけ書くというのは完全に嘘です。
どうやら「マーク・トウェイン」という名前には過去の恥をまことしやかな嘘を含めて告白するという冗談が込められていて、新スタートレックに出てくる「その名前はやめろ、サム・クレメンズだ」というセリフは、そのことを暗示しているらしいです。きっとアメリカのトレッキーは、そのセリフで「ああ、あの事ね(にやにや)」となるのでしょう。
些細なセリフだけど意外に深かったです。もしかしたらマーク・トウェインのマニアだと他のちょっとしたセリフにも、いちいち何かを発見できるかもしれません。新スタートレックの問題のエピソードは第124話「タイムスリップ・エイリアン前編」と第125話「タイムスリップ・エイリアン後編」です。