29日の日記、鬼おろし発祥の地は葛飾区?
東京は晴れでした。最高気温は29度。もちろんまだ暑いのですが、暑さがだいぶ優しくなりました。29度くらいで優しい暑さって言えるくらい近ごろの日本はどんだけ暑いんだってことですが。
読んだ本
贖罪 |
とある田舎町で幼い少女が変質者に殺されてしまいます。少女の母親は、事件の直前まで娘と遊んでいた四人の子供たちに言いました。「犯人の顔を見ているくせに、思い出せないなんて許さない。あなたたちこそ娘を殺した人殺しだ。時効になる前に犯人の手がかりを探すか罪の償いをしなさい」完全に八つ当たりでしかないこの言葉に、子供たちの人生は支配され、狂わされていきます。しかし最後にわかる衝撃的な事実。本当に罪を償うべきは誰だったのか……?
作者の湊かなえは映画にもなった『告白』を書いた人です。この本も登場人物の独白で構成されています。告白にくらべるとソフトですが、やはり人間のどろどろとした心の闇を上手に描いています。途中で展開が読めてしまい、だいたい想像通りの謎解きがあるのですが、それでも読者をぐいぐい引き込んで行く文章力がすごい。登場人物がたんたんと自分の過去を語ってるだけなのにものすごい緊迫感。かなり面白いです。そして、恐い!
注文した
- 作者: 市古夏生,鈴木健一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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江戸名所図会といえば、鬼おろし発祥の地は葛飾区の青戸かもしれない
竹製のおろし用受台。18032510 鬼おろし(大)用受台【直送品】18032510 鬼おろし(大)用受台 |
実はこれとそっくり同じものが『新編武蔵国風土記稿』や『江戸名所図会』に掲載されています。
奮家者茂右衛門
山崎を氏とす、祖先は青砥左衛門に仕えしものと云、左衛門か所持せし山葵おろしなりとて家に蔵せり、其さま竹にて鋸刃の如きものを作り、是を箱の上に並へ建り、此竹はいと古色に見ゆれと箱は數百年を經しものとも見えず、中古修復せしものなるへし、何れ傳来の眞偽はしはらく置て古製の質僕なる物なれは其圖を上に載す (新編武蔵国風土記稿より抜き書き)
同じようなことが『江戸名所図会』にも書いてあります(どっちかがどっちかを参考にして書いているんだと思います)。青砥左衛門というのは鎌倉時代の武将で、葛飾区青戸に城を持ってたという伝説があります。確かに青戸には城跡があるんですが、今ではその城と青砥左衛門(青砥藤綱)は関係がないとも言われています。
『武蔵国』にも『名所』にも挿し絵があるのですが、絵を見るかぎり現在の鬼おろしとほぼ同じものです。もし同じタイプの道具が一般に使われているものだったら「按ずるに今日の鬼おろしなるべし」とか注釈が入りそうなものなんですが、そういう但し書きもなく、ただ古い味わいのあるものだから掲載するって書いてあります。ひょっとするとこれが現在の鬼おろしの元祖じゃないかと思うんですがどうでしょう。
それにしても、鬼おろしのような目の粗いもので山葵(わさび)をすり下ろしたっていうんだから驚きです。現代では鮫皮のような目の細かいものでなめらかにすり下ろさなければ山葵の辛さと香りがひきたたないと言われているのに!
ただ『豆腐百珍』などを読むと、今と山葵の使い方が違ってるんですよね。針のように細く千切りにして料理に添えたり、胡椒と同じように炒め物の味付け・香り付けに使ったりします。江戸時代ですら違うんですから、青砥左衛門の時代はもっと別の使い方をしてたかもしれません。今と使い方が違うからこそ下ろす道具もこれでよかったのかも知れませんね。
そろそろ残りの青春18きっぷを…
消化してしまわないともったいないんですが、台風が近づいてるらしいですね。2日に関東・東海地方へ来るらしいので、来週頭くらいに出かけようと思っています。その頃には夏休みも終わるので観光地が空いててナイスと言えるでしょう。
しかし今回はあんまり長くいられないので、またせいぜい二泊三日くらいかなと思います。せめて三泊とは思うんですが、18きっぷの季節にまた行けばいいかとも思いますしねー。
今回は大阪の民族学博物館を見ようと思っています。伊勢崎市に相川考古館というのがあるんですが、そこの文物を収集した、相川之賀(あいかわしが)という人が、北米で集めてきたアメリカ先住民の不思議な物が収蔵されてるらしいんです。展示されてるかどうかは行ってみなきゃわからないんですけど(電話して聞けよ、わたし)、相川之賀のコレクションが見られなくても、みんぱく自体に興味があるので一度いっとこうと思うわけです。
その前に東北旅行の写真をどうにかしてしまわなければ。少し調べ物をしてからと思うと時間がかかっていけませんよ。話題を死蔵するくらいなら四の五の言わずに写真貼ればいいんじゃあるまいか、わたし。