草食系と肉食系

たった一人の30年戦争 価格：1,682円（税込、送料別）

　私は人間にも肉食系と草食系があり、それが性格まで京成しているらしいという"人間学"を発見した。
　私たち四人を分類すると、島田伍長と赤津一等兵が草食動物系、小塚一等兵と私が肉食動物系だった。（中略）
　私と小塚は草食だけだとすぐ目がまわり、下痢をする。栄養失調状態になり、決断力や感覚が鈍感になるのが自分でもわかった。
　性格は肉食系の私たちが攻撃的、行動的だった。
　人間は自分の食体系に合わせて行動能力も決まるのか、草食系の二人は牛にしろ野鶏にしろ、生きものを捕らえるのはあまりうまくなかった。（中略）
　ジャングルでのゲリラ戦は、肉食系で狩猟民族タイプの小塚や私のほうが適していたようだ。

　ルバング島で戦後三十年も戦闘を続けていた小野田さんの本に、上記の文章を発見しました。草食系、肉食系という表現は2006年ごろのはやり言葉だと思いますが、これは平成八年（1996年）の本です。流行に10年も先行しています。

　ただ、現在「肉食系」と言えば恋愛に積極的な性格を言うようですが、小野田さんは女性にはからきし弱かったようです。