ウスタビガの繭で作る手まり
ゴムまりがなかった頃は、女の子たちは糸をぐるぐる巻いて作る手まりをついて遊びました。ゴムとちがって弾まないので屋内で膝をついてつくそうです。手まり歌も今想像するより早いテンポで歌ったそうです。
糸まりは、芯に籾殻などを芯にして、綿でくるんで、その上を糸でぐるぐるきつく巻いていき、最後に色とりどりの刺繍をして作ります。芯にするものは、地方によっていろいろ違うそうで、群馬の吾妻郡嬬恋村あたりでは、ウスタビガの繭を芯にしたそうです。
ウスタビガの繭は別名を山かますといいます。かます(叺)というのは藁むしろを二つ折りにして作った袋のことですが、ウスタビガの繭は、ちょうどかますのような形をしているので、そう呼ばれています。
成虫になって虫が出ていったあとの繭にはちょうど穴があいてますから、そこへ小豆を二、三つぶ入れて、ゼンマイの綿でつつみ、さらに布でくるんで、最後に刺繍をして手まりを作ったそうです。小豆が入っているので、つくたびにカラカラ音がします。
これはちょっといいアイデアですね。東京だとウスタビガの繭が手に入りにくいでしょうが、美容グッズとして売られている家蚕の繭で代用できるかもしれません。やってみたくなりました。
参考『日本わらべ歌全集5 群馬のわらべ歌』
群馬のわらべ歌 価格:2,447円(税込、送料別) |