ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

龍踊りのもともとの意味

 太陽は、地球のまわりをまわっている。

 え、地球が太陽の回りをまわってるんだろうって?

 どっちを固定するかの問題なんだから、そんなのどっちでもいいんですってば。

 太陽は地球のまわりをまわっている。

 その太陽をおいかけて、はらぺこの龍も回っている。

 龍が太陽においついて食べてしまうと日食が起こるんですな。

 太陽がなくなると困るので、地上では動物たちが騒ぎはじめ、人間も鉦や太鼓で大騒ぎをする。

 おどろいた龍は太陽を吐き出すので、世界は元通り明るくなる。

 そんな宇宙のスペクタクルを形にしたのが龍踊り(蛇踊り)というもので、龍を先導している金の玉は太陽だったのですぞ。


 人々は、日食を予測して、お祭りの準備をしなければなりません。地上で大騒ぎをしないと、龍が太陽を吐き出さず、いつまでも光が戻らないからです。

 今から四千年くらい前のこと、古代中国に夏(か)という国がありました。そこで天文を観測する仕事についていた、義さんと和さんは、世襲制で長いことその仕事についていたせいで、すっかり怠け癖がついていました。慌てなくても仕事にあぶれたりしないからです。

 義さんと和さんが将棋を打っていると、あたりが突然暗くなりました。日食が起こったのです。

 天文官が遊んでいて日食を予告しなかったので、人々はパニックに陥りました。

 夏の仲康帝は激怒して、仕事をさぼって遊んでいた義と和の首をはねてしまいましたとさ。


参考

星の神話伝説集 (現代教養文庫 1071)

星の神話伝説集 (現代教養文庫 1071)