龍踊りのもともとの意味
太陽は、地球のまわりをまわっている。
え、地球が太陽の回りをまわってるんだろうって?
どっちを固定するかの問題なんだから、そんなのどっちでもいいんですってば。
太陽は地球のまわりをまわっている。
その太陽をおいかけて、はらぺこの龍も回っている。
龍が太陽においついて食べてしまうと日食が起こるんですな。
太陽がなくなると困るので、地上では動物たちが騒ぎはじめ、人間も鉦や太鼓で大騒ぎをする。
おどろいた龍は太陽を吐き出すので、世界は元通り明るくなる。
そんな宇宙のスペクタクルを形にしたのが龍踊り(蛇踊り)というもので、龍を先導している金の玉は太陽だったのですぞ。
人々は、日食を予測して、お祭りの準備をしなければなりません。地上で大騒ぎをしないと、龍が太陽を吐き出さず、いつまでも光が戻らないからです。
今から四千年くらい前のこと、古代中国に夏(か)という国がありました。そこで天文を観測する仕事についていた、義さんと和さんは、世襲制で長いことその仕事についていたせいで、すっかり怠け癖がついていました。慌てなくても仕事にあぶれたりしないからです。
義さんと和さんが将棋を打っていると、あたりが突然暗くなりました。日食が起こったのです。
天文官が遊んでいて日食を予告しなかったので、人々はパニックに陥りました。
夏の仲康帝は激怒して、仕事をさぼって遊んでいた義と和の首をはねてしまいましたとさ。
参考
- 作者: 草下英明
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1982/12
- メディア: 文庫
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