薩摩守で無賃乗車
ある言葉でまったく別の物を言い表す駄洒落を集めています。 … - 人力検索はてな
↑前にこういう質問をしたことがあるんだけれど、長らく放置してたのを軽くまとめてみようと思います。
ルールとしては「ある言葉AがBの意味として使われるにあたって、途中にダジャレが介在していること」なんだけど、隠語を作るためにデタラメなフレーズを作ったようなやつは(蛙のしょんべん→大したもんだ)とかは、面白いけど爽快感が薄いので規格外ってことにしてみました(わたしが例題に出した雪隠の神様もビミョーな部分で規格外にしてみました)。
薩摩守:無賃乗車のこと
薩摩守は平忠度(たいらのただのり)、ただのり→ただ乗り
警察用語だという説もありますが、狂言の「薩摩守」に無賃乗船することを薩摩守というのだとあり、起源は古いようです。
http://www.nikkoku.net/ezine/asobi/asb14_01.html
ラジオ:無銭飲食のこと
ラジオは無線、むせん→無銭
レコーディング:トイレのこと
レコーディングは音入れ、おといれ→おトイレ
横浜に行く:トイレに行くこと
横浜の市外局番は045→オシッコ
左利き:酒飲み
ノミは左で持つので左手はノミ手→飲みてぇ→酒飲み
うぐいす:葬式のこと
ウグイスは鳴き鳴き梅に行く→泣き泣き埋めに行く→葬式
アイス:高利貸し
アイスクリームは氷菓子、こおりがし→高利貸し
美人クリイムというと女の高利貸しのことになる。出典:尾崎紅葉『金色夜叉』
御所車:卵のこと
御所車の中には高貴な人「君」がいる→中に「黄身」がある→卵
お釈迦:ダメになること
鋳物職人など火を使ってものを作る人が、「火が強すぎて」ダメにする様子から、火が強か(ひがつよか)→しがつよか→四月八日で、四月八日はお釈迦様の誕生日だから、お釈迦になる。これもかなり都市伝説臭がする説だけど。
武蔵野:大盃のこと
武蔵野は広い、野見尽くされず→飲み尽くされず
文久二年(1862年)刊の『雲錦随筆』(一)に「もはや武蔵にして納めたまへ」とある。武蔵だ→野見尽くせない→飲み尽くせない→もう飲めないのでお開きにしよう。
利根川:酒を終わりにする
利根川は銚子で海に注いで終わることから、この銚子で終わる→酒を終わりにする
【規格外品(でも面白い)】-------------------------------
雪隠の神様:四十九歳のこと
雪隠(便所)の神様は始終臭い思いをしてる、しじゅうくさい→四十九歳
山の神:奥さんのこと
いろは歌で「おく」は山の上(かみ)にあるから。
火鉢の居眠り:顔役のこと
火鉢の前で居眠りをすると顔を焼く、かおやく→顔役
草野球のキャッチャー:みっともない
草野球のキャッチャーはミットを持っていないことが多いので、ミットもない→みっともない。映画「幸福の黄色いハンカチ」に出てくる。
五月の桜:お気の毒様
五月の桜は葉ばかり→憚りさま:お気の毒様
行徳のまな板:馬鹿で人ずれしていること
行徳では馬鹿貝(アオヤギのこと)がよく取れ、この地方の家にあるまな板は馬鹿貝ですれている→馬鹿で人ずれしている
夏目漱石の『我輩は猫である』
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/shisetsu/tosyo/ref/ref0407.htm
法華の太鼓:だんだん上手になること
法華の太鼓はダンダンと良く鳴る→だんだん良くなる
えびす紙:断ち残し、断ち損ない
神無月になっても恵比須様は恵比須講があるので出雲へ行かない、神の立ち残し→神の断ち残し
江戸時代初期にはすでに使われていた言葉。えびす紙は、紙を重ねて裁つ時、角が折れ込んで裁ち残しになったもの。
http://www.nikkoku.net/ezine/asobi/asb14_02.html
時計の針:勝ち進む(カチカチいいながら回るから)
女房の気狂い:つまらん(妻乱)
材木屋の泥棒:気取っている(木盗っている)
支那のいくさ:空騒ぎ(唐騒ぎ)
うどんやの鰹:出し抜く(出汁を抜く)
蚕の小便:詳しい(桑にシイコ)
……次第に無理矢理感が強くなる
「法華の太鼓」には「後から気がつく(後から木がつく)」という洒落もあるらしいです。でも意味がわからない。木とは何、なぜ「後から」なのか。