ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

胎児内胎児・奇形嚢腫

 ディスカバリーチャンネルで胎児内胎児の特集をしていた。双子として生まれてくるはずだったのに、母親の胎内にいるうちに片方が異常を起こし、正常な方の子の体内に取り込まれて成長してしまうとい現象で、平たく言えばピノコである。

 正常な胎児にとりこまれた異常な片割れは、そもそも異常だったからこそそういう状況になってしまう。手足があり、目や鼻や髪の毛は形作られ、ほとんど人間のような形をしているが、たいていの場合は内臓が作られず、内臓を収納する体腔さえないという。また頭蓋骨はあっても脳みそはなく、自発的に呼吸をするなどの生命維持はできないらしい。へその緒で正常な兄姉につながっているので死ぬことはないが、生きているとも言いにくい。

 番組で取り上げていた例では正常な方の子が 7 歳になるまで胎児内胎児に気づかずに過ごしてしまったという。腹がふくれていくらか不格好なのは「クル病のせいだからいずれ治る」と思われていた。

 ところがある日、腹痛と呼吸困難を訴えて、病院に運んでみると、腹の中に嚢腫があることがわかった。取り出してみると、手足があり、顔や髪の毛まである赤ん坊が入っていたという。

 残念ながら問題の番組は肝心の映像を全部ぼかしていて何も見せてくれなかった。ジラされたあげくに何も見せてくれないなんて、かえって不愉快というかよけいに恐いというか、ええかげんにしてほしいものだと思う。

 なおブラックジャックでは、こういう症例を奇形嚢腫と言っていたが、細胞の奇形で赤ん坊のような形の腫瘍ができるのと、双子の片割れをとりこんで成長してしまうのは全く別のものだそうだ。ピノコは後者の例で今は胎児内胎児と呼ぶらしい。