箸の起源(参考『箸』)
縄文時代の遺跡からは木匙は出てくるが箸は出てこない。日本人が食事に箸を使うようになったのは七世紀以降。聖徳太子が随の使節を迎えるために宮中の人々に箸の使い方を覚えさせたのがきっかけだという。
聖徳太子以前にも竹を折り曲げて作ったピンセット状の箸らしきものがあった。これは正倉院に納められているという。ヤマタノオロチ伝説で、スサノオが流れてくる箸を見て人が住んでいることを知るという場面があるが、この時のものはピンセット状の折箸だったと言われている。
この折箸が壊れて真ん中で分離してしまったものをそのまま使おうとして現在のような二本箸が誕生したのではないかという説を聞いたことがあるが、そもそもこの箸は一般には普及しておらず、天皇の食事や神事で使われるだけだったとも言われている。そのような特殊なものが今の箸になったとは思いにくい。
※参考にした本は『箸の本』だと思ったら『箸』というタイトルのやつでした。「ものと人間の文化」というシリーズの中の一冊です。『箸の本』という内容の違う本も実在します。