良縁をとりもつ聖ゴンサーロ
今日の「世界ふしぎ発見」はポルトガル。サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅だった。ここへの道のりは複数あるらしく今回はカミーノ・デ・ポルトガルと呼ばれるルートの紹介。
アマランテの守護聖人ゴンサーロは良縁をとりもつと言われていて、教会に設置されている像の、腰から下がった紐をひっぱると、いくらか年をくっていても良い結婚相手がみつかるそうだ。ゴンサーロ像は壁の高いところに設置されており、以前は紐が長くたれていたが、ある人がその紐にぶら下がって体重をかけて何かトラブルになったらしく、今では紐を短くし、手が届きにくくしてあるという。ジャンプしてタッチしろということだろうか。
またボーロ・デ・マルテーロと言われる男根の形をしたお菓子があって、これもまた良縁をまねく縁起物とのこと。Marteloならハンマーのことだと思うんだけれど、陰茎を柄に見立てているのかな。
http://www.h3.dion.ne.jp/~porto4/amarante.htm
こちらのサイトにはボーロ・デ・マルテーロと聖ゴンサーロ人形の写真が。綴りは bolo de martelo とのこと。しかしこの綴りで検索しても日本語のサイトしかヒットしないのだよね。あんなにインパクトのある形なのに、なぜ本国ではスルーされているのだろう。えっ、一物だけにセーフサーチ? もちろんオフにしてみましたってば。
ポルトガルでは修道士が卵白で服の糊付けをしたという話も面白かった。余った黄身をお菓子作りに利用するからポルトガルには卵黄を使ったお菓子が沢山あるとか。
サンチャゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者は、ホタテの貝殻と瓢箪を持って行くという。瓢箪は水筒にして、貝殻はコップ代わりにする。巡礼者証明書を持っていると泊まれる安い宿もあるという。
ゴンサーロという聖人のことを検索していたら、エクアドルに名前を書くだけで人を殺せるノートを持ってる聖人がいたという話がヒットした。アマランテの聖人と同一人物かどうかは不明。面白そうだから図書館で『世界で最も危険な書物−グリモワールの歴史』を借りてみる。
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[追記]6月15日
『世界で最も危険な書物ーグリモワールの歴史』借りてきました。読んだというか、ざっと見ました。タイトルは釣りですね。内容的には『グリモワールの歴史』と言うべきもので、過去にこれこれこういう魔法書があってそれを持ってた人が処刑されたのなんの、新大陸にわたってこういう発展をとげたのなんのと、魔法書の歴史がざーっと書いてあるだけで正直あんまり面白くなかったです。
問題のエクアドルのゴンサーロ(ゴンザーロ)ですが、
(エクアドルの)州都アンバトに主教会の守護聖人であるゴンザーロという"聖魔術師"の台座がある。持っている本に名前を書くだけで、その人を殺すことができたと言われた人物だ。しかし信仰の焦点は剣に背中を突き立てられて、顔から血をしたたらせている大きな聖ゴンザーロ像ではなく、そのミニチュア版だった。聖ゴンザーロ像を持っていたのは白人であり、大きな"魔女の本"を持っていたのも白人だった。人々はこの本に的の名前を書いて呪ってもらうため、あるいは書かれてしまった自分の名前を消してもらうために謝礼を支払った。これは伝説ではない。"魔女の本"の管理を実際の仕事として金銭を受け取り、起訴された者もいる。
これしか情報はなかったですわい。アンバトの主教会っていうのがなんのことなのかわからないので守護聖人のゴンザーロが誰なのかもイマイチ不明だし、なんで背中に剣を刺されちゃってるのかもさっぱりわからない。というわけで飽きたので図書館に返します。
エクアドルのゴンザーロが何者なのかはわからなかったけれど、アマランテのゴンサーロ(Gonçalo de Amarante)は、1187年に生まれ、1259年に亡くなった人だそうです。情報がポルトガル語のウィキペディアしかないので意味がさっぱりわからないんですが、どうも中南米でも信仰されているようです。エクアドルのゴンザーロ(おそらく綴りは Gonzalo )と関係があるのかないのか、今のところまったくわかりません。