黒いサイコロ事件
1977年1月10日、ニューハンプシャー州ウェイクフィールドのウィリアム・マッカーシーは、庭にあるアヒル用の池に異変をみつけた。池に張っていた氷に直径90Cmほどの穴が空いていたのである。誰かが空けたのか、あるいは空から隕石でも落ちてきたのか…?
穴をのぞき込むと池の底に黒いサイコロのようなものが見えた。1.8mほどの木の枝で探ってみたところ、なぜかどこまでも深く、池の底に達した手応えがない。池はマッカーシー自身が掘ったもので、深さはせいぜい90Cmほど。底は岩のように固いはずだという。
丸一日悩んで警察を呼ぶ。警官はガイガーカウンターを持ち出し、庭が放射能で汚染されていると宣言。州兵や民間防衛組織も派遣され調査にあたった。
しかし十二時間後の再検査で放射能汚染は間違いだったと発表される。
軍や民防が池をさらい、ポリ袋に何倍分かの池の泥を持ち去った。直径45Cmほどの物体が回収されたという証言もあるが、実際のところはよくわからない。
州知事のスポークスマンは、放射能はガイガーカウンターの欠陥によるものと発表。また、池の穴はひび割れに木の影がさしたのを誤解したのだろうとも。
それっきり何事もなかったかのように事態は収束した。