オンダル伝
高句麗の王様には、美しい娘がいた。名前はピョンガン公主(姫)という。目に入れても痛くないほどかわいがっており、ゆくゆくは良い家柄に嫁がせようと考えていた。しかし、幼い娘があまり泣き虫だったので、「お前のような泣き虫は、馬鹿のオンダルのところへ嫁にやるぞ」と言って育てた。オンダルというのは身分の低い物乞いの男で、目の不自由な母親と一緒に貧しい暮らしをしている。人々から、馬鹿のオンダルと呼ばれ、さげすまれている男である。
やがて姫君が年頃の娘に成長すると、王は娘を立派な家柄の男に嫁がせようとするが、姫は承知しない。「お父様はわたしをオンダルのところへやるとおっしゃいました。普通の人たちですら嘘をつかないのに、一国の王たる方が嘘をついてはなりません」そう言って、姫君はオンダルに嫁いでしまう。
オンダルの家でも姫君が嫁いでくるなど信じられず、このような貧しい家に高貴な方が暮らせるはずがないと拒み続けるが、「貧しくとも心が通じていれば幸せになれると申します。お金持ちになってからでないと一緒になれないというのは道理にあいません」と言う姫君をついには受け入れる。
オンダルは、姫君の助力で馬を買い、乗馬や弓の練習をし、狩猟大会で優勝し、城につとめるようになる。やがては高句麗の将軍にまでのぼりつめ、数々の武勲を立てるが、新羅との戦いで命を落としたと言われている。
# 『三国史記』に見える逸話と聞くが、上記は『私が観た「韓国歴史ドラマ」の舞台と今』より抜き書き。
オンダル=温達=온달
ピョンガン公主=平岡公主(平康公主)=평강공주ピョンガンコンズ
姫の父親は、ピョンウォンワン=平原王=평원왕
韓国語のウィキペディアでピョンガン公主を引いてみると、オンダルの死後の逸話がある。戦士したオンダルを部下の兵士たちがカン(棺のことか?)に入れて運ぼうとすると、重くてどうやっても動かなかった。ピョンガン公主が駆けつけて、オンダルの棺にとりすがって泣くと、やっと動かせるようになった。
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