アタイという一人称
コンビニで買い物をしていたら、レジでお釣りを落っことしそうになりました。
そしたら、隣で見ていたお爺ちゃんが「捨てるんだったらアタイにちょーだい」って笑いながら手を出すんです。一瞬、三十年くらいタイムスリップしたような気分になりました。昔のお爺ちゃんは、人のささいな失敗をそうやってからかったもんです。たぶんちょっとした冗談で。
ただ、昨今あまり聞かない冗談なのでどう答えていいやらわからず、照れた笑いでごまかしました。レジ打ちのオバチャンもフクザツな顔をしてましたが何も言いませんでした。
帰る道々、ああいう時は江戸っ子みたいに「蝶が大なら蟻が小だよ、ノーサンキュウ」とか、寒いダジャレを口走りつつお爺ちゃんの手をペチンとひっぱたいて颯爽と立ち去るべきだったのかなと反省しました。実際にやったら今度はおじいちゃんのほうが引いたかもしれないけど。
寒いギャグ合戦はこっちへおいといて、問題は「アタイ」です。
漫画・アニメでおなじみ「サザエさん」の、妹である『磯野ワカメ… - 人力検索はてな
この質問を読んで、ワカメちゃんの一人称が「アタイ」だから何がどうなんだろうと思ったわたしは、そうとうなオバハンなのかもしれません。まあ、たしかに今の子はいわないみたいですけど、小さな女の子は「アタイは、おおきくなったらスチュワーデスさんになんのよー」なんて口をふつうに聞いてたとおもうんですよ、ドラマの中とかで。や、実際にも言ってたと思うんですが、わたしは使ったことないのでわかりません。
それに、お爺ちゃんとかが、小さな女の子に話しかける時「アタイはいくつになるんだい?」なんて話しかけたもんです。舌足らずな幼児の一人称を「○○ちゃん」という呼びかけと同じに使ってるわけです。
アタイという言葉は、あばずれ女(死語)限定の一人称ではないし、ワカメちゃんがアタイって言ってたからって不思議でもなんでもないですけどね?
あ、でも、ワカメちゃんが今と性格が少しちがってたのは本当だと思います。サザエさんのアニメ第一話(たぶん)をどっかで見たことがあるんですけど、カツオのいたずらを黙っているかわりにお小遣いをちょうだいって賄賂をせびってました。昔のワカメちゃんは今ほど優等生的なキャラじゃなかったです。それも、時代相応の違いじゃないのかな。