ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

アマエビ(目がテン)

 アマエビは、エビ目タラバエビ科タラバエビ属のエビで、正式和名はホッコクアカエビ。その身が甘いのでアマエビという通称で呼ばれる。

 アマエビの足は、頭胸部についている胸脚(歩脚)は10本(5対)、これは歩く時に使う。泳ぐ時は腹についている10本(5対)の腹肢を使う。足の数はすべてのエビに共通している。他に、退化したり触覚などに変化した足を含めると全部で36本の足がある。

 アマエビは深さ500mの深海に住むエビ。イセエビは20m、クルマエビは40m、ボタンエビは200m、アマエビは食用のエビの中ではもっとも深いところに生息している。

 アマエビは夜になると水深300mくらいのところに移動して餌を食べる。この習性を利用して漁をする。昼のうちにアマエビの餌場にカゴをしかけておくと夜にアマエビが入る。これを翌日ひきあげる。

 とれたてのアマエビは身が透明で甘くない。漁から一日経過すると身が白くなり甘くなる。甘み成分であるグリシンの量は変わらないが、アマエビが餌を消化するのに使うタンパク質分解酵素が自分の身を分解して水溶性タンパク質のとろみを作る。このとろみのせいで甘み成分が舌に長くとどまり甘みを感じさせる。アマエビが生息する深海では水温が低いためにタンパク質分解酵素があまり働いていない。働いていない状態でバランスを保っているものが水揚げされて暖かくなると酵素の働きが活発になり自分の身を消化してしまう。

 卵から生まれてから5歳までアマエビはオスだけである。その後、性転換して間性という状態で1年間過ごし、6歳から11歳まではメスとして育つ。そのためアマエビのメスはオスよりも大きい。

 オスとメスとの見分け方は、第一腹肢(内肢)の先端が分かれているのがオス。メスは先がひとつでとがっている。間性はその中間。

 アマエビの産地はロシア、グリーンランド、カナダ、デンマークノルウェーなど。国産もあるが数は少なく高級品。アマエビの値段は安い方から、輸入オス<輸入メス<国産オス・メス<間性(国産オス大)の順に高級になる。輸入品は冷凍で輸入される。

 輸入品のオスは皮ごとミンチにしてエビせんべいに。輸入品のメスは回転寿司のネタに。国産のオス・メスは回らない寿司屋のネタにされる。もっとも高級とされる間性のアマエビは銀座などの超高級店の寿司ネタに。メスになってしまうと卵巣や卵に栄養が回るので間性よりもわずかにうま味が落ちる。


# アマエビが性転換するなら他のエビはどうなのかと思い軽く調べてみたところ、ホッカイエビ(北海シマエビ)など、アマエビと同じタラバエビ科のエビは性転換するそうです。他の科のエビはどうなのか、ちょっとわからないけれど。