門松日本起源説
中国から暦が伝わる前から日本には門松があったのだとする説もあります。もともと日本には、神事のときに笹や榊を門にたてて神様の目印にしていました。これがいつしか松になったのが門松の起源ではないかというのです。
松が使われるようになったきっかけは奈良時代にまでさかのぼります。鳥羽天皇が外出されるさいに、街をきれいに飾るようにとおふれを出しました。この時使われたのが松で、その後も人々はお正月に松を飾るようになりました。一年のはじめを正月として祝うようになったのも奈良時代のことだそうです。しかし、この時代に使われたのは松のみで、竹は使われていませんでした。竹が使われるようになったのは室町以降のことだそうです。
門に松をたてるという習慣を記録したもっとも古い例は『本朝無題詩集』(986年から1140年ごろ)に「近来世俗、皆松を以て門戸に挿す、而して余は賢木を以て之に換う」とあるのが最初だそうです。門に松を挿すと言っているだけで、門松という言葉は出てきません。「門松」が出てくるのは『堀河院百首』が最初だそうです。堀河天皇の時代は1086〜1106年ごろ。参考>『ものと人間の文化史・松』