ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

汁粉(しるこ)の由来

 そこで気になるのは汁粉の語源である。汁粉は小豆の汁に餅を入れたもので、こしあんの汁粉はさらし餡(粉末の餡子)からつくられるので「汁粉」という字を当てるのは不思議ではない。しかし、それが語源ならば汁粉ではなく粉汁になりそうな気がする。
 善哉の由来として「善哉此汁(よきかなこのしる)」という一休禅師の言葉があげられるが、関西では上半分をとって善哉、関東では下半分をとって「このしる」と呼び、それがいつの間にか「しるこ」に変化したのだ、などと書くともっともらしいが根拠はない。

 怪説ついでにもうひとつ、朝鮮半島では昔から正月に餅を食べる習慣がある。日本でいえば江戸時代末期に書かれた『東国歳時記』という朝鮮の書物によれば、甑(こしき:蒸し器のこと)に粳米の粉と煮小豆を何層にも重ねて蒸したものを、シルトックというそうである。これは現在でも韓国ではお祝いの席に食べる。トックは餅で、シルは甑のことだから、この言葉自体に小豆を意味するものはなく、できあがったものも汁物ではないから日本の汁粉と直接関係するとは思えない。けれど、発音が似ていることや小豆を用いることなど、かなりそそられるポイントであるが、やはり無関係だろうか。