ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

アントワープの由来

 むかし、スヘルデ川(シェルド川)のほとりにドゥルオン・アンティゴーンという名の巨人が住んでいた。川を行き交う船人たちは巨人に高額の通行税を払わねばならず、拒否すれば巨人に手を切り落とされた。
 そこでシルヴィス・ブラボーという名のローマ兵が巨人を倒してその手を切り落とし川に投げた。以来この地はフラマン語で「手を投げる」ことを意味するアントウェルペン(ant-werpen)という名で呼ばれるようになった。また、勇士ブラボーにあやかろうと、我が子にブラバントと名付ける者も少なくない。一説によればブラボーはカエサルの甥にあたるとも伝えられている。
 現在スヘルデ川のほとりにはステーンと呼ばれる城がある。9世紀ごろ、この地を治めた伯爵家が建造したものと伝えられているが、伝説によれば巨人アンティゴーンがこの城の塔に住んでいたとも言う。ステーン城は後に刑務所として使われ、現在は海洋博物館になっている。
 また、フラマン語では波止場のことをwerpといい、現在ステーン城のあるところに波止場があったと言われている。Aen de werpen といえば波止場に停泊することであり、これがアントウェルペンアントワープの語源になったとする説もある。

# フラマン語はベルギーで使われているオランダ語の方言。ベルギー各地で別の変化をとげているのでフラマン語といっても一種類ではないらしい。津軽弁も山形弁も日本語であり東北弁だけど違うものだというような感じなのだろうか。