ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

人参果

 人参果は『西遊記』に出てくることで有名である。人の形をした果実だと言われている。もちろんこれは架空のものだが、人参果と呼ばれる植物は中国にいくつか実在する。
 
 たとえばhttp://webpc.shtu.edu.cn/xhfly/qinghai/juema.htmを見ると、薔薇科の蕨麻は人参果とも呼ばれると書いてある。このページの人も『西遊記』のストーリーをあげて「孫悟空がこっそり食べたのを思い出す人が多いだろうが、実在する人参果は食べると百年生きたりする超常的な果実ではない」と説明している。悟空が盗んで食べた長寿の木の実は人参果だったかなぁというつっこみは棚に上げておくとして、ページ内に学名らしきものがあるので手がかりにして調べてみると、バラ科キジムシロ属のエゾツルキンバイPotentilla anserinaのことを言っているようだ。同ページの写真は果実ではなく塊根であろう。
 
 またhttp://www.yileen.com.cn/xiangguanqiye/mafei/mafei.htmhttp://www.jfzy.cn/docc/home2_4.htmを見ると、北アメリカ原産の新しい野菜(果物?)にも人参果という愛称があるらしい。中国で最近になって栽培されはじめたものらしく、人参果でイメージ検索すると白いのや黒い斑のあるのや、長細いのやら、見た目が少しずつ違うものを何種類かみることができる。中国のこの手のサイトは情報があやしげで、特に「学名である」とか「英語の呼び名である」と書かれたものにタイプミスが非常に目立つ(人のことはあまり言えないが)。最初のページに Solamwn Muicatnm と書いてあるが、二重三重にタイプミスしているのでもとの形を想像するのが難しい。写真と照らし合わせて考えるに、南米原産のペピーノ・デ・フルータ Solanum muricatum のことではないかと思う。ペピーノという言葉自体はキュウリ(ウリ科)のことだが、ペピーノ・デ・フルータはナス科である。

# 中国語のページ名が化け化けですが、めんどくさいので気にしないでください。