ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

山へお帰り

 今年は暑かったので各地でツキノワグマが人里に降りてきてます。熊に襲われて大けがをした人のニュースを聞くたびに、その人も恐かっただろうけど、熊もさぞビックリしたんだろうなあと思うんですよ。
 野生動物は、たいてい人間を恐れています。日本に生息する獣の中では人間はかなり大型でしょう? しかも、山奥ではあまり見かけない生き物だし、そんな得体のしれないものを好んで襲う生き物はあんまりいないと思うんですよ。実際、普段なら熊のほうで人を避けてくれるらしいです。
 ほら、登山の時にリュックに鈴つけたりするじゃないですか。ああいう音を立てながら歩いていると、そこに人がいることが分かるから熊の方で逃げてゆくらしいんです。昔のお坊さんが錫杖という杖をつきながら歩いているのも、蛇や獣が音を聞いて逃げてゆくからです。
 でも、お腹がすいて死にそうになったら、多少の危険をおかしてでも餌のあるところに出てきてしまうんです。熊はなにも人間を襲おうと思ってるわけじゃありません。庭先の柿の木に成っている美味しそうな実や、台所のテーブルの上で美味しそうな匂いをはなっている焼き魚に興味があるんです。そこには必ず人間がいるから怯えて襲ってしまうだけ。
 人間はひ弱な生き物ですから、熊に一発ジャキンとやられたら大怪我をして動けなくなっちゃう人が大半です。たまに取っ組み合って勝つ人もいますが希な例といえるでしょう。人間を簡単に倒せることを覚えてしまったら、次もその次も人里に降りてきて、出会った人を襲うかもしれません。そんな熊を生かしておいては安眠できないので駆除しなきゃならない。これはもう、不幸な出会いとしか言いようがないです。山がもっと豊かだったら、こんな出会いは起こらないかもしれないのに。
 
 そこで誰でも思いつくことは、熊の餌になるものを山に置いてきたらどうかってことです。でも人間が食べるようなものを置いてきたら、味を覚えてやっぱり人里に降りてきてしまうでしょう。そういうのじゃなくて、山で自然に拾えるものじゃなきゃダメなんです。
 http://hb6.seikyou.ne.jp/home/kumamori/というところで熊のいる森にドングリを運ぶ活動をしているそうです。都会の公園にはドングリのなる木が沢山あるでしょ。あれを拾って山に置いてくるんだそうです。ドングリのような木の実は熊の好物だし、山でも手に入る食べ物です。
 自然保護とか動物愛護って言葉はあんまり好きではないのですが、この活動はちょっと面白いかもしれないと思いました。必要なのは手厚い保護やべたべたの愛護じゃなくて住み分ける方法なんだと思うんです。
 
 心配なのは、この方法が本当に「餌付け」にならないかってこと。餌場のような場所を作ってしまったら、熊はそこへ行けば餌にありつけると覚えてしまいます。そうなったら自分の力で餌をとることを忘れてしまうと思います。サイトを読んだのですが、どんなやりかたでドングリを山に置いてくるのかハッキリしませんでした。ただ「餌付けではありません」というのは明記してありました。おそらく、あちこちにまんべんなくまくとか、なんらかの配慮をしながら置いてくるんだとは思うんですけど。*1

 もうひとつ、たしかに山にはドングリのなる木がたくさんあるでしょうけど、都会の公園に生えてるのと種類が違うかもしれませんよね。ドングリの成る木は何種類もあります。熊の餌になりそこねたやつは、発芽して木になっちゃうかもしれません。もともとそこに生えてないようなものをはやらかしちゃっていいのかしら。もっとも日本の山で人の手のまったく入っていない所は少ないでしょうから、これは場所を選んでやれば大丈夫なのかもしれません。
 
 そんなこんなで、どのくらい効果があるのかわからないけれど、やってみる価値はあるのかなと思いました。近所の公園にもドングリは沢山落ちているので、地元の鳥や虫の分を残しつつ、拾い集めて送ってみようかなぁなんて。
 ところでドングリって何日くらい保つんでしょうね。木の実なので多少は乾いちゃっても大丈夫と思うんですけど、熊さんの好みはよくわからないのでどうしていいやら(笑)いちおう、一晩くらい風にあててから、冷蔵庫で保存して、貯まったら送ってみようと思ってます。
 
自然保護団体日本熊森協会
http://hb6.seikyou.ne.jp/home/kumamori/
 ここのトップに宛先など書いてあります。

ドングリ

 ドングリの成る木はナラ系・クヌギ系・シイ系・カシ系など本当にたくさんありまして、写真のものはカシの木の仲間のものじゃないかと思うんですけど、樹木には詳しくないので実はよくわかりません。たまにヘンな皮をかぶった先の尖ってるやつが混じってますが、これはスダジイの実です。スダジイの実は渋みがないので人間が食ってもんまいですよ。
 
追記>熊が山からおりてくる理由
 今年は台風のせいで熊が食べる木の実が落ちて、落ちたものはリスなどの小動物が食べてしまうので熊が飢えているのだという話をテレビでしてました。それが本当ならドングリをそこらにまいてくるだけじゃダメなの??
 asahi.comの記事によれば、ドングリの塚にしておいてくるのだと説明してました。塚というと、埋めてしまうってことなんでしょうか。それとも山盛りにして置いてくるという意味なんでしょうか。ほんとにそれで大丈夫なのかな。まあ、何事もこうすれば確実という方法がわかったら苦労しないので、模索してみることは大事かもしれません。せめて団体の公式ページでもうちょと具体的な方法を紹介してくれないものかなあ。

*1:http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200410130030.html」によると熊にドングリ作戦は「市民から集めたドングリを奥山に運び、数十キロ単位の塚を作って餌場にする予定」だそうです。なんだその数十キロ単位の塚とゆうのは。誰かどう大丈夫なのか説明してくれって感じ。