ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

29日の日記:座繰りも使いたいなあ

 晴れ。最低気温2.1度、最高気温は10度。久しぶりの10度越えです。

座繰りも使いたいなあ

 これまで、わたくしこと珍獣様は、趣味の盆蚕*1でとった繭を、主にずり出しという方法で糸にしてきました。茹でてほぐした繭を指で引っ張って糸にする手法です。数本の糸がまとめて出てくるので太めで表情のある糸になります。

 でも、ふつう繭から糸を取る場合、茹でた繭から数十個分の糸端を集めて座繰りという器具で糸を引くことが多いです。

▲この器具が「座繰り」です。写す方向が悪くてなんだかよくわかりませんね。すみません。座繰りは養蚕と切っても切れない基本アイテムなので、いずれ使えるようにしたいと考えています。

 今持ってる座繰りは、この記事の写真のものとトレードして手に入れました。以前持ってたのよりずっと状態がいいのですが、残念なことに糸巻きがついて来ませんでした。

 ことあるごとに座繰りに合うサイズの糸巻きを探してはいるんですが未だに見つかりません(それっぽいものを注文してみるとサイズが合わなかったりします)。

 もはや自作するしかあるまい、と決意して、とりあえずどのくらいのサイズがあればいいか確認してみることにしました。

 確認が必要なのは、心棒の直径と、糸巻きの幅なんですが、幅が意外と曲者だと思うのです。座繰りには左右に首を振って糸を均等に巻く仕組みがついてるんですけど、試しに木綿糸をつけて回してみたら、だいたい8cmくらいの幅で振られるようです。しかも、糸車を固定する金具の上に乗る感じで振られるので、単純な枠ではなくて、横棒が飛び出した感じにならないといけないんですね。そういえば糸巻きはみんなそういう形をしています。


 そこでペットボトルとボール紙を利用して、こんなお工作をしました。ボール紙じゃ耐水性も強度も足りないのは想定済みです。今は実験なので一度使えればいいと思います。

 今年とった新小石丸の繭を煮て、試しに糸を引いてみたところ、最初のうちはクルクル巻き取れました。ところが糸の引きが勝ってしまい、ペットボトルが心棒に固定されず、ぐるぐる回るようになってしまいました。

 こうなると糸巻きの穴にも工夫がいるかもしれません。穴は心棒の直径+αの真円でいいかと思ってましたが、可能なら四角がいいのかもしれないです。もしくは楕円とか(長い方の直径を固定用の金具にあわせる)。しかし、わたくしに楕円や四角の穴をあける工作技術があるでしょうか。ないですね、はいはい。

 まあ、そこらへんは回っちゃうようならくさびを打つとかすればいいのでなんとかなるでしょう、たぶん。穴のサイズはペットボトルの口程度ってことで、近いうちに何か自作してみたいと思います。


 ところで、試しに煮てみた新小石丸の繭ですが、やっぱり餌が足りなかったようです。繭が薄くてちょっと煮ただけで、糸を取った後のかすみたいになっちゃうんですよ。そのくせ分厚い繭もあるから、溶けてぐずぐずになったのと、まだ煮たりない繭が混在してしまい、にっちもさっちもいかなくなったので、仕方ないので全部ほぐして真綿にしてしまいました。

 真綿にするといったって四角く整形するなんてマネもできないくらい薄いんです。蛹を抜いてまとめて絞って乾かすことにしました。絡み合ってものすごいことになってますが、まあ何かには使えます。ずり出してもいいし、少しはさみを入れてカーディングして、スピンドルで紡いでもいいかと思います。

▲こんな有り様ですが、指でほぐしてみると面白いんですよ。一般的な品種の繭と比べて、目で見てわかるくらい糸が細いんです。


 そうそう、繭の煮加減にも留意すべきです。真綿にする場合は時間をかけて煮てぐずぐずにして良いと思うのですが、座繰りで糸を引くならそこまで煮ちゃうと煮すぎっぽいんです。何度やってもこのあたりの加減でけっつまずいて先に進まないんですよねえ。経験で覚えていくしかないのかもしれませんが。

まとめ
  • 振り幅は8cmくらい。余裕を見て枠(糸巻き)を作る。
  • 糸巻きにあける穴はペットボトルの口くらいのサイズか?
  • 繭の煮加減に気をつける。どう気をつけていいかわかんないけど。
    • とりあえずあまり大量に茹でてしまわず、40〜50個くらいでやるべき?

*1:盆栽のように小規模に養蚕を楽しむこと。筆者の造語。ちなみに読みは「ぼんかいこ」のつもりですが、「ぼんさん」のほうが面白い?