ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

28日の日記

 晴れ。最高気温は9.3度、最低気温は3.9度。

木綿も紡いでみた


 片づけものをしていたら、10年くらい前にベランダで作った綿花が出てきました。わたしはどんだけ物持ちがいいんでしょうね。

 木綿の繊維(綿花)は、ワタという植物の種のまわりに生えている綿毛をむしり取ったものです。見た目のフワフワ感とは裏腹にしっかりと生えているので、種から綿毛をむしり取るための専用の道具(綿繰り機)もあるほどです。今回は数が少ないので手でむしりましたが、親指の爪がはがれそうで痛かったです。

 むしった綿毛はほぐしてから使います。大量にやるなら弓のような形をした道具でびんびん弾いてほぐします。その作業を綿打ちといいます。綿打ちに弓を使うと知ったのは、たしか世界まるごとHOWマッチという巨泉がやってた番組からだったと思います。アフリカかどこかのもので、人の背丈ほどもある大きな弓状の道具がスタジオにやってきて、何に使うものか(弓矢の弓ではない)という話題になって、スタジオでは「楽器じゃないですかね」という意見が多かったと思います。

 ところがその弓には共鳴胴らしいものがついておらず、本当に弦を張ってあるだけの弓なんです。この形状だと楽器にするほど大きな音はしないでしょう。結局何に使うかっていうと、収穫して種からむしり取った山積みの綿花の中で、その弓をビンビン弾いて繊維をほぐすのに使うのでした。この時点で「へー!」という驚きがありましたが、まったく同じような形状のものを、日本の布団屋さんなどでも使っていると説明があり、二度驚きました。日本ではそれを「唐弓(とうゆみ)」と呼んでるらしいです。

 で、まあ、大量にほぐすんだったら唐弓が必要なんですけど、今回は量も少ないですし、ペット用のスリッカーブラシを二個使ってカーディングしてしまいました。ブラシとブラシの間にワタをいれて、びゅーっとくしけずると繊維がほぐれて同じ方向を向きます。これがカーディング。

▲こういうのを二個使う。同じ形状で小型のものならダイソーなどの100円ショップにもあります。本当は、羊毛を梳くための専用のカーダーもあるのですが、丈夫に作られているのでやや値が張りますし、趣味でちょっと試してみたいだけならスリッカーブラシで代用するのがいいと思います。


 こうして準備された綿の繊維は、意外に短くて、ほんとにこれが糸になるのかな、と首をひねりながら、スピンドルで撚りをかけてみたところ、ちゃんと撚りさえかかっていれば糸になるものなんですね。というか、蚕の繭からとったけばより引きやすい。繭のけばは繊維が長くて丈夫なので、引っ張るのに力がいりましたが(繭のけばを紡ぐ話も語りたいことが多々ありますが、それはまたいずれ)、綿花はするするっと出てきてくるくるっと撚りがかかるんですね。気持ちがいい。綿打ちをしていないので不純物があまりとれてないのがご愛嬌ですが、それも紡いでる間にいくらか落ちました。

 そしてでき上がったのが冒頭の写真です。量が少ないので糸にしたらちょっぴりですが、コースターを織ったり、編んでアクセサリーにするくらいなら、まあいけると思います。

 白いとつまらないので、何かで染めてみようと思うのですが、絹と違ってたんぱく質がないので草木染めでは色が定着しにくいはずです。呉汁(豆汁)処理というのをやるんですが、豆から作るのはめんどくさいので成分無調整豆乳を買ってきて糸を浸しました。

 よく浸してから絞って、干すところまでやって一日終了です。呉汁処理したものはきちんと干してからっからに乾かさないといけないらしいです。

 というわけで数日後に続くかも。果たしてちゃんと染まるのか?

染液も準備しないと

 上記の木綿もですが、蚕の繭から取った糸もまだあるので何かで染めないといけません。そこで、もみじの落ち葉を拾ってきました。ほんとは落ちたばかりの生の葉がいいんでしょうけど、この時期だとカラカラに乾いた枯れ落ち葉ばっかりです。それでも赤みの残った葉からは色素が出るんじゃないかと思い、ざっと洗ってから酢水に漬けてみました。酢は食用のでもいいかもしれませんが、以前薬局で買った氷酢酸クエン酸の結晶を 1リットルに 1gくらい溶かして作りました。そこへ洗った落ち葉を突っ込みます。
# 氷酢酸でも問題ないですが、うちで使ってるのはクエン酸の結晶でした。すみませんイイカゲンなこと書いて。

 ぎゅーぎゅーに押し込んでしばらく様子を見ると、液が赤くなってきたので、まあいける、かな? 濃い染液を取るにはしばらく漬けておかないといけないので、やっぱり数日後に続くかも。