ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

ひとまず繭かきとけば取りをしました

 実はまだ 5頭くらい幼虫のままふにふにしてるんですけど、全部の蚕が上がるのを待っていると片づかないので、すでに繭になったのを蔟(まぶし)からはずして、けばをとりました。繭になってからの日数が揃っていないので、まだ中で動いている蚕がいるかもしれないから、冷凍するのはもう一週間くらい待とうと思ってます。真夏だと成長の早いのから羽化しそうな気がするけれど、気温が下がってきてるのでしないだろうと高をくくりつつ。

 繭の数を数えたら 200個くらいでした。卵は 1蛾(1頭の蛾が生む卵の数、300〜500個と、幅がある)という単位で買ったので、中間をとって 400個くらいかな、と思っていて、稚蚕のうちに乱暴なことをして間引いた数が 100頭ちょっとなので 300頭弱いると想像してたんですが、案外少なかったです。思ったより死なせてたのか、卵の個数が想像より少なかったのか、ちょっとわかりません。

 今回は本当に餌が足りなかったので、繭も薄くてさわるとペコッと凹んじゃうのが沢山ありました。それでも思ったより育ったので良かったです。

 残ってる幼虫は、もう繭にはならないかもしれないですね。ずーになりかけて体が縮んできてるんですが、やっぱり変化しきれないようです。蚕の場合は蛹になる体力以外に大量の糸を作る体力も必要です。

▲左:けばをとる前の繭、中央奥:けば、右:けばをとった繭。右手前のひときわ大きいのは中に二頭以上入ってると思います。そういうのを玉繭(たままゆ)とか同功繭(どうこうけん)と言うそうです。

 玉繭わたしは失敗例だと思うんですけど、糸が複雑にからみあっているので紡いだ時に絶妙な節(ふし)が出来るというので、手工芸の世界ではかえって珍重する向きもあるようです。玉繭ばかり集めて織る絹のことを「しけ絹」と言うそうです。
http://www.d1.dion.ne.jp/~matui_f/shop/silk_shike.html

通常は一頭の蚕が一個の繭を創り、その繭から創った糸(生糸)で生地を織るものを一般的に絹繊維と呼んでいます。

しかし稀に、二頭の蚕が一個の繭を創る事があります。その繭を玉繭と言い、玉繭から創った糸(玉糸)で生地を織るものが「しけ絹」と呼ばれ貴重な生地となるのです。

玉繭は二頭の蚕が吐いた二本の糸が複雑に絡み合っているので、人工では決して作ることの出来ない微妙な節が現れるのが特徴です。


http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000341104150001

 蚕は通常、1匹が一つの繭を紡ぐ。だが、まれに2匹の糸が絡み合い、一つの繭の中に2匹の蚕が収まってしまう場合がある。2、3%の確率で自然にできる大ぶりの「玉繭」。これを紡いだ「玉糸」を横糸として織り込んだ絹が「しけ絹」だ。2匹の吐く糸が絡まることで生まれた、人間には作れない独特のフシが表面にあらわれる。

 城端では、「しけ絹」を古くから生産し、ふすまなどに張りつけて風合いを楽しんだという。戦後は、壁紙にしてアメリカや欧州にも輸出。和風のテイストがうけた。

 松井機業場 〈創業〉1877年 〈本社〉富山県南砺市城端3393 電話0763・62・1230 〈従業員〉4人 〈社長〉松井文一