ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

15日は群馬でイナゴをとりまくった

 群馬の中之条町ってところでイナゴンピックとかいうイベントを毎年やってるらしいです。中之条はたまに通るけどそんなのぜんぜん知りませんでした。時々出ている昆虫食の会の人たちが、今年はそのイナゴンピックに参加するというので、わたしもともだちの車に乗せてもらって見に行くことにしました。

 ところがあいにくの悪天候です。東京を出た時は小雨でしたが風が強く、上からでなく横から降ってくるような状態でした。9時ごろ埼玉県の三芳あたりで前が見えないくらいの大雨になりました。こりゃイベントは中止だねえ、とかいいながらサービスエリアで10分くらい休憩してたらぴたりと止んでしまい、その後は小雨がぱらつく程度でした。

 暴風と豪雨のせいかどうかわかりませんが、高速道路は外環がすごく混んでて想像以上に時間がかかり、関越に入ってからも雨で視界がきかないせいでスピードが出ず、家を出たのは6時ごろだったのに中之条に着いたのは11時くらい。10時20分に中之条駅に集合とか言われてたのにぜんぜん間に合いませんでした。

 そもそも「あの雨で」イベントをやってるのかどうかも良くわからず、とりあえず駅前を見たけどイベントの案内すらなくて「ナンジャコリャ」としばし首をひねりました。町をあげてやってるように想像してたけどそういう様子はぜーんぜんないんです。日付を間違えて来たんじゃないかと不安になるほど。しょうがないので iPhone でイベントの公式サイトを見て、会場の場所を確認。そっちへ直接行ってみたら、イベントはちゃんとやってました。もしかすると中之条あたりでは豪雨は降らなかったのかもしれないです。

▲こんな場所です。広いので参加者が少なく見えますが、50人くらいいましたよ。


 イベントは、イナゴを沢山とる競技と、とったイナゴを跳ねさせて飛距離を競う競技があって、1競技につき500円のエントリー代がかかります。見てるだけならエントリーしなくても良さそうだったけど、お昼が出るらしいのでタダでまざると悪いかなと思い、沢山とる競技はもう始まっちゃっているから、イナゴ跳ばし大会だけ参加することにしました。

 競技をやってる人達に途中からまざって、わたしはウシなんとかさん(カエル)の餌用にイナゴ取りまくりです。さすがに自然豊かなところでは沢山とれますね。参加者は大人も子供も含めて50人くらいいたはずですけど、そんなに大勢で追ってるにもかかわらず、目が慣れてくると次から次へとぱっぱか拾える感じです。一番取ったのは福島県郡山市でイナゴの研究(?)をしているお婆ちゃんで、制限時間(30分くらいだったかな?)内に150頭くらいとったそうです。たしかにお婆ちゃんのイナゴ取り能力は半端なくすごいですが、わたしですら15分の間に何十頭もとってますから、とにかくたくさんイナゴがいることは確かです。


▲イナゴ獲り大会の表彰式。上位三名は大人ばっかり(しかも全員が県外からの参加者)でした。頑張れ地元の子供たちよ!


 取れたのはコバネイナゴやハネナガイナゴで、東京にもいる種類なんですが、東京で見るのよりは小さいものばっかりでした。あれは餌の違いなのかなあ。東京にいるイナゴはススキ、オギ、アシなんかの雑草を食べているけれど、中之条のイナゴは田んぼの稲を食べてるでしょうしね。そういえば不思議とトノサマバッタはいませんでした。男の子がとってたようだから皆無ってことはないんでしょうが、主に獲れるのはイナゴばっかり。あとはエンマコオロギがけっこういて、わたしはクビキリギスも獲りました。

 予定ではとったイナゴを調理して食べるはずだったみたいですが、今年は原発問題とかあって、数値的には病気を心配するほどじゃないにせよ子供もいるので不特定多数に配るのはやめたみたいです。全員で取ったイナゴの総数は千数百頭にもおよび、それを東京から参加した昆虫食の会の人たちと、福島のイナゴ取りお婆ちゃんで山分けにしてました(笑)

 競技の合間に地元でとれた野菜とイノシシで作った猪汁や、地元産のリンゴや、おにぎりなんかが振る舞われて、東京から参加した昆虫食の会の人たちもタイから輸入したツチイナゴや中国産の柞蚕(さくさん)の蛹なんかを調理して配ってました。

 午後からはイナゴ跳ばし競技です。わたしも参加して 89cm くらい跳ばしました。一等は男の子で、ちょうど 1m というすごい記録を出してました。イナゴの場合、体の大きいメスより、小さなオスのほうがよく跳ねるようです。入賞者には中之条産のおいしいお米が商品として授与されました。


◎なかのじょうイナゴンピック
http://yamazato.info/taiken/taiken175.html
(16日朝、システムダウンしてるみたいで重くて入れないかもしれません。そのうち復旧すると思います)


 そんなこんなで、けっこう楽しいイベントでした。中之条は上野からだと鈍行列車でも2時間半くらい、運賃は片道 2520円で行けます。吾妻線との乗り継ぎの関係で新幹線を使ってもあんまり速くなりません。

 毎年この時期に開催されるとしたら「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」っていうのを使える可能性があります。9180円で3回分(3人分)の切符ですから、友達同士や家族 3人のグループで使うと 3000円/1人で往復できる計算です。


ウィキペディア鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E9%81%93%E3%81%AE%E6%97%A5%E8%A8%98%E5%BF%B5%E3%83%BBJR%E5%85%A8%E7%B7%9A%E4%B9%97%E3%82%8A%E6%94%BE%E9%A1%8C%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%B7


 あるいは近隣の温泉街に一泊するのも楽しいですね。沢渡温泉四万温泉が近いです。吾妻線を更に何駅か乗りますが、八ッ場ダムに沈んじゃうかもしれない川原湯温泉なんかも行ける距離です。

 自家用車で来るなら関越自動車道で渋川伊香保まで来て、あとは国道を30kmくらい走ったところでしょうか。道はわかりやすいです。車だったら榛名湖や伊香保温泉も至近距離なので、一泊すると楽しく観光できると思います。

川原湯温泉

 イナゴンピックのあとは車で移動して川原湯温泉に行きました。

川原湯は吾妻峡のちょっと上にあるひなびた温泉街なんですが、八ッ場ダムっていうのができると沈んじゃうんです。もう営業をやめた旅館もありますけどまだやってる宿がいくつもあって、公衆浴場(もちろん温泉)も営業してます。お寿司屋さんや食堂ものれんが出てたのでやってるはずです。すぐ近くに吾妻峡というモミジの名所もありますから、紅葉の季節に行くと楽しいと思います。

 わたしは近くを通るとここの王湯という公衆浴場に立ち寄ります。入湯料は300円です。川原湯は源泉が熱くて80度くらいのお湯が涌いてます。熱すぎるので水でうめてありますが、それ以外の点では混ぜ物がなく(消毒用の塩素も入ってない)、とてもいいお湯です。できたらダムに沈めないでほしいな。新しい町を作って伊香保みたいに大きな温泉街を作るのもアリですが、昔ながらの川原湯にも残っていてほしいです。

 この日は到着が遅くて17時ちょっと過ぎでしたから、ほかのお客さんがおらず、贅沢に貸し切り気分でした。なお王湯の営業時間は18時までです。

 王湯の近くに無料の足湯もあります。そこでは源泉に卵を入れて温泉卵を作ることもできます。卵は温泉街に一軒だけある商店でも買えるし、公衆浴場の受け付けでも買えます。10個入りで300円とか、ちょっと高いので、車で来る人は家から持ってきたほうがいいかもしれません。

 竿の先にカゴがついたゆで卵を作るための道具は用意されています(無料です)。それを借りて卵をお湯に浸けること、だいたい10分くらい。源泉の温度は日によって変動するので、足湯に手をつっこんでみて「今日は低いな」と思ったら長めに茹でたりします。うまくできると黄身から先に固まるいわゆる温泉卵の状態になります(白身が固まって黄身がどろどろの半熟卵とは逆の状態です)。

 すっかり夜になったので、この日は渋川に引き返して高速に乗って帰りました。