12日の日記
晴れ。東京は最高気温35度で猛暑日だったみたいですね。ほんとにもう、暑くて暑くて(涙目)。暑さで疲れてしまい、夜は早めに寝てしまいました。
読んだ本
愛のひだりがわ |
いつの時代かわからないけど、そんなには未来じゃない日本が舞台です。世の中が荒廃して、一般人さえ武装して殺し合ったりしています。主人公は小学生の女の子。お父さんが蒸発して、居酒屋で働くお母さんと二人暮らしです。家がないので、居酒屋に居候しています。ところがそのお母さんも死んでしまうのでした。お母さんの貯金は居酒屋夫婦に取られてしまい、少女は無一文、居酒屋夫婦は親切な顔をして、少女にここで働くといいよと言うけれど、ようするに自分たちが母親のお金をとったことを警察に言われたくないだけなんです。
そんな暮らしをしている少女が、蒸発したお父さんを探しに行く決心をします。少女がお金を持って逃げたので、居酒屋夫婦が大騒ぎして、町からは武装した自警団が追いかけてきます。少女の左腕は幼い頃に野良犬のグレート・デーンに噛まれた傷がもとで動きませんが、道中いろんな人や犬が、少女の左側について守ってくれるのです。果たして少女は父親に会うことができるのでしょうか?
表紙にいる大きな犬は、少女の左腕をかんだグレート・デーンの奥さんなんですが、夫のほうは驚くと目の前にいるものを咬むでしまう癖があり、少女を咬んだことも本気で反省して二匹で少女のことを守って行こうと決意しているのです。ところが夫が別の子を咬んでしまったことで町を出て行ってしまったので、残った奥さんが少女の左側に立って一緒に旅をしています。それもまた悲しい別れがありまして、少女をかばって自警団に撃たれちゃったりするんですね。少女には犬と話す能力があって「お前は逃げなさい」とか言うんですが、グレート・デーンというものは逃げたりしないものだと言って、自らおとりになって少女を逃がします。なんかこれだけで涙出そう。
ただ、お涙ちょうだいかっていうと、ちょっと違うんですよ。いい人も悪い人も沢山でてきて、その様子が少女の一人称でたんたんと語られていくんですが、その外側にやや冷めた、ちょっと皮肉っぽい、筒井康隆の視線が常にあるような感じです。全体としては『家なき子』のような名作物語のような体裁になっていますが、細部で魔女の宅急便とか、もののけ姫とか、そういうジブリアニメのパロディになってる感じがします。
ホリエモンの宇宙論 |
宇宙論といっても宇宙のなりたちを説明する本とかじゃなくて、宇宙開発を投資家の目で見てどうすればもっと合理的に宇宙へ行けるのかという話をする本ですね。宇宙開発っていうと、特に日本では国がやるもので民間の出るまくなんてないよって感じですが、税金でやってるかぎりいろんなしがらみがあって、本当の意味でのコストダウンができなかったりするものです。そこで衛星の打ち上げみたいなこなれてきたものはいずれ民間がやるべきだし、民間資金で回すことで合理化か進めば宇宙旅行を商売にすることも夢じゃないぞというお話です。実際もう欧米では衛星の打ち上げをやっている民間企業もあるそうです。そういう、経済の世界から見た宇宙開発について、やさしい言葉で書かれているので、中高生くらいの子供が読むと「よし、僕も将来、宇宙開発事業をはじめるぞ!」なんて夢がふくらんじゃうかもしれませんね。
どうも日本の教育には経済観念が欠けてると思うんです。アメリカなんかだと、まずレモネードを売るところから教えるって聞きますけど、ホントでしょうか。わたしが子供の頃にうけた社会科の授業を思い出しても、その知識で商売していけそうな気がしないんですよね。科学技術なんかにしたって何かの研究ですごい発見をして人の役に立つのはすばらしいですってところまでは学校で教えるけど、その研究をするための資金はどこから調達すればいいのか、発明したらそれをどこにもってって商品化すればいいのか、さっぱりわかんないじゃないですか。そういう経済活動をぜんぶひっくるめないと素晴らしいものって人の役にたたないと思うのですよね。
ホリエモンの宇宙論は、宇宙開発を商売にする話をしているので、一般に語られている宇宙開発の話にくらべればやや生々しい(ややですけどね)感じはしますけど、こういう視点は大事なんじゃないのかな。彼は実際に会社を作って低コストでロケットをあげようとしています。最初はロケットエンジンをロシアから買おうとしたそうですが「それなら打ちあげをうちでやればいい」とロシアに言われてしまい、ああエンジンは虎の子だから売りたくないんだ、と理解して、エンジンの開発からやってるそうです。
◎SNS株式会社
http://www.snskk.com/
SNSは指紋認証システムの略だそうです。もとは別の会社だったのを宇宙開発の会社に変えたんだそうですよ。そんなのアリなのか(笑)