ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

コウノトリ(目がテン)

 花札のツルはコウノトリ
 鶴の恩返しのツルはコウノトリ?!
 コウノトリは世にも不気味な方法で雛を運ぶ?!!

 日本のコウノトリは狩猟による乱獲と農薬のせいで餌になるドジョウなどがいなくなったため数を減らし、1971年に絶滅した。ときおり飛来するのは大陸を渡るコウノトリが迷って入ってきたもの。動物園にいるのも外国産のコウノトリである。

 コウノトリとタンチョウ(ツル)は良く似ている。コウノトリは足が赤く、タンチョウは黒い。コウノトリは首が白く、タンチョウは黒い。コウノトリは頭が白く、タンチョウは赤い。コウノトリはタンチョウより一回り小さい。タンチョウは体が重いので飛び立つのに助走がいるがコウノトリはその場から飛び立てる。

 花札のツルは松の札に描かれる。同様のモチーフがおめでたい掛け軸にも見られるが、ツルは足の構造から木の枝には止まれない。もちろん松の枝にも。ツルの足の指は四本で、後ろを向いている一本は短く、高いところについているので枝を握れない。一方、コウノトリは後ろの指が長く、松などの高い木によくとまる。松にとまるものはコウノトリでなくてはいけない。その姿がタンチョウと似ており遠くから見ると見分けが付かないこと、タンチョウのほうが知名度が高かったことなどから、昔の人がコウノトリとタンチョウを混同していたのではないかと考えられる。また、松とツルはどちらもおめでたいものなので無理矢理に結びつけたとも考えられる。

 コウノトリが赤ん坊を運ぶと言われているのはなぜか。コウノトリは街の電柱や屋根、暖炉の煙突など身近な場所でよく見られた。コウノトリは枯れ草などを集めてバスケット型の大きな巣を作る。オスとメスの共同作業で仲良く子育てをする。そういった習性から赤ん坊を運ぶとされるようになった。なお、ヨーロッパで赤ん坊を運ぶ伝説のもとになったコウノトリはシュバシコウ。
# 「コウノトリは世にも不気味な方法で雛を運ぶ?!!」←これは、航空力学的にコウノトリの形のものがくちばしに赤ん坊をぶらさげて運ぶなんてありえないって話からはじまって、じゃあどういうかっこうなら運べるんだろうというありえない考察をしてた気がします。あんまり面白くなかった。

 コウノトリは雛のうちは鳴けるが、成長になると鳴けなくなる。声を出す鳴管と呼ばれる部分が発達しないため。そのかわり、コウノトリは求愛や威嚇の目的でくちばしを打ち鳴らして音をたてる。これをクラッタリングといって、カタカタカタカタカタ… と機織りの音に似ている。そのため「鶴の恩返し」に出てくる鳥はツルではなくコウノトリが本来の姿だったのではないかとも言われている。兵庫県北部(但馬地方)には、コウノトリが機を織って恩返しをする民話が実際に残っている。

# 番組ではコウノトリの織りの前で機織りをする実験をして、15分後にコウノトリがクラッタリングをする場面を撮影していたが、これはさすがに偶然だと思う(笑) しかし、鶴の恩返しがコウノトリかもしれないというのは、日本昔話業界を震撼とさせる新説であることは間違いない?!