2日の日記
曇り。強烈に寒い。最高気温は7度くらい。最低は4度くらい。太陽がまったく出なかったので本当に凍えそう。
ブログ更新:お玉ヶ池(岩本町)と於玉稲荷(新小岩)
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葛飾区新小岩にある於玉稲荷の伝説と、その本当のふるさと神田岩本町(旧松枝町)の話です。
読んだ:お月さまいくつ
- 作者: 金関丈夫
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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この記事関連で金関丈夫という人の『お月さまいくつ』を読みました。以下は問題の部分を抜き書き。
- お月さん、いくつ、十三七つ、まだ歳ぁ若いね、というわらべうたは日本全国にあり、十三一つ、十三九つ、などと歌う地方もあるが、十三七つが元のようだ。
- 十三七つを月の年齢とする説
- 安政五年(1676年)の『小歌事文類聚』に「ある天文者申されき、天は昼夜に三百六十五度四分度の一をめぐり、日はこれに一度づつおくれ、月は十三度七分づつおくれる事をしる名目よりいでたる事とかや」とあるが、菊池寛は『話の屑籠』でこじつけらしいと言っている。
- 山田孝雄によれば、十三とは陰暦で一年に十三月ある歳のことで、それが十九年に七つあることを覚えやすく歌にしたものと言っている。しかし、著者(金関)は十九が出てこないから説得力に欠けると言っている。
- 相馬大は『京のわらべ唄』で「十三夜の七つ刻」の意味だとしている。七つ刻は夕方なので、十五夜が待ち遠しい子供たちが、十三夜のまだ夕方のうちから月に呼びかけたのだろうと言っている。
- 浅野健二は十三という数がどの地方でも固定なので、十三夜(豆名月)の行事と関係があるだろうと言っている。
- 十三一つが祖型ではないかという説もあり、その場合は 13+1=14 で、十五夜より一日若いので「まだ歳ぁ若いね」と続く。
- 十三七つを娘の年齢とする説
- 13+7=20 で、適齢期を過ぎた娘に対して「まだ歳ぁ若いね」とあてつけて歌ったものではないか。
- 兵庫県に「お月さんなんぼ、十三七つ、そらまた若いな、若うもござんせん、はたちでごんす」というバリエーションがある。
- 著者(金関)は謎の十三七つを解釈しようとして後から生まれたものだろうと言っている。
- 兵庫県に「お月さんなんぼ、十三七つ、そらまた若いな、若うもござんせん、はたちでごんす」というバリエーションがある。
- 13+7=20 で、適齢期を過ぎた娘に対して「まだ歳ぁ若いね」とあてつけて歌ったものではないか。
- 意味はないという説
と、言うわけで金関丈夫の『お月さまいくつ』には、十三七つのルーツが「月ぬ美しゃ」だという説は出てきませんでした。桜井満の『花の民俗学』を読んだら何か別の情報があるでしょうか。
十三七つのわらべうたは、似たようなものが中国大陸の南方や台湾にもあるそうです。十三七つという言葉はもちろん出てこなくて、月から連想してそれからどうした、こうなった、それはどうなった、こうなった、と連想が続くタイプですが。
この本には表題作のほかに、鼻の大きさが男性の一物の大きさと関係があるという俗説について深く掘り下げたり、わきがの匂い(必ずしも悪臭とはされていない)についてめくるめく考察をしたりする話など、面白いものがあります。
中でも緬鈴(めんりん)という女性が陰部に入れて快楽を得たという謎の器具の話は不覚にも面白うございました。緬鈴は中空の玉で、中に水銀かなにかの液体が入っていて、握っていると自然に暖かくなって、ひとりでに動き出すというのです。これを女性が陰部に入れて腰を動かすと、鈴のような音がするとか。
快楽はともかく仕組みが気になって気になって。中に水銀をいれたくらいでは鳴るとは思えないので、今でいうオルゴールボール(ケルトボールや健身球)のような仕組みだったんじゃないかと思うんです。ひとりでに震えだす仕組みも、中に音が鳴る仕組みが入ってる(つまり音が響く→振動する)ことからの連想かなあ、などと想像してみたり。手で握ってるだけで暖かくなるというのはなんでしょうね??