ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

麻原おっさん地獄

麻原おっさん地獄

麻原おっさん地獄
価格:1,121円(税込、送料別)

1996年

 田村智は麻原彰晃のボディーガードで、麻原がドライブする時に別の車にのってついてまわったという。オウムがホームレスを映画のエキストラにするといって山奥の合宿施設に連れて行った時、世話をしたのも彼である。
 教団に強制捜査が入った時、彼は無免許で無線を使ったという些細な罪で逮捕された。その後、取り調べで真実を語り始め、公判でも麻原を死刑にと言い放つが、マインドコントロールからは抜けきっておらず、釈放後は慈照院の受け入れ施設で住職の小松賢壽氏と問答を続け、小松氏をグルと認めることでオウムのマインドコントロールから抜ける。
 三章仕立てになっており、一章、二章で田村氏がオウムでの生活を語り、三章で小松氏が宗教問答を通じて田村君をマインドコントロールから救う様子が描かれている。

 小松氏は、オウムの出家信者の信仰心は本物であるといい、信者を信仰からいきなり引き離しても、水揚げされた魚のように苦しんでオウムに戻ってしまうと言っている。まったくそのとおりだと思うのだが、結局彼は自分を最終解脱者だと「偽って」田村君の気を引いているので、最後まで読んで、少し複雑な気分になった。連名で著書を出すくらいだから、田村氏もその「方便」に納得しているのだろうなとは思うけれど。