ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

アヴェロンの野生児 禁じられた実験


 1800年、フランスで発見された野生児ヴィクトール。彼は素っ裸で、首のところにシャツのきれっぱしをぶら下げていた。年齢は11〜2歳くらい。多くの野生児が四つんばいで歩くのに対して、ヴィクトールは立って歩いていたらしい。言葉は話せず、話しかけられても理解しなかった。何度か脱走し山に帰ってしまったが、何度目かにつかまってからは死ぬまで人間の世界で暮らした。多くの学者たちが彼を教育しようとしたが失敗し、彼を白痴だと断言して放り出してしまう。精神病院に入れられそうになったところでイタールという学者に拾われ、再び教育される。彼は父親のような優しさと厳しさでヴィクトールにいくつかの単語と意味を教えた。ヴィクトールも文字を書いたカードを並べて意味のある単語を作れるようになった。世話係だったゲラン夫人が学校勤務をやめて町で暮らすようになると、ヴィクトールも夫人とともに町で暮らした。そこでのヴィクトールは特別なんということもない知恵遅れの人のように暮らしたらしい。結局最後までひとことも話すことなく40歳くらいで亡くなった。