ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

「走る爆弾娘」菊池直子へのラブレター


 著者は元オウムの信者で、出家前に菊池直子と同棲していたことがある。といっても男女の関係はなかったらしい。大学生になったばかりの菊池はオウムへの出家を家族に反対され自宅に軟禁されていたらしい。隙を見て逃げ出した菊池を、オウムの信者が著者・岩田軽のところにつれてきて、かくまって欲しいと言ったとか。著者も出家をひかえており、しばらくのあいだ不思議な共同生活が続いた。著者と菊池は十三歳も年が離れていたが、お互いにまんざらでもなかったらしい。お互いに出家者なので励ましあうくらいのことしかできなかったようだ。著者は出版物を各地の書店に持ち込んで置いてもらうセールスの仕事をしており、出家者といっても比較的自由に外出できた。そのため、オウムへの不信感を募らせ、ある日教団を抜けてしまう。その際、菊池直子を連れ出そうか必死で考えたそうだが、教団のあり方に疑問はあっても、当時はあだ麻原彰晃への信仰を完全に捨てたわけではなかったので、真面目に修業している菊池に一緒に行こうとは言い出せず、自分だけで抜けたという。その後、地下鉄サリン事件強制捜査などがあり、菊池直子は指名手配犯となり、今も逃亡中である。

 この本は最初、小学館から出版される予定だったが、破防法について大騒ぎだった時期で、なぜか途中で出版が止まってしまったらしい。その関係で話が宅八郎のところまで行き、宅がプロデューサーになって別の会社から出版にこぎ着けた。逃亡中の指名手配犯に出頭を呼びかける内容はあるものの、その他の点で珍しいこともなく、なぜこれが小学館から出なかったのか、いまいちわからない出来事である。